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ゲームディレクターのブレント氏と、アートディレクターのニック氏にインタビュー

「ディアブロ IV」開発者インタビュー、新クラス「スピリッドボーン」は簡単に使えるが奥が深い

2024年07月19日 08時00分更新

「ディアブロ IV」ゲームディレクターのブレント・ギブソン氏(左)と、アートディレクターのニック・チラノ氏(右)にインタビューを実施

 Activision Blizzardの(BATTLE.NET)/Xbox Series X|S/Xbox One/PlayStation 5/PlayStation 4向けタイトル「ディアブロ IV」では、10月8日に新たな拡張パック「憎悪の器」が発売される。

 憎悪の器では、本作の新章に加え、新エリア「ナハントゥ」のほか、新クラス「スピリッドボーン」などを実装予定だ。

 今回、発売に先駆けてアメリカのアーバインにあるBlizzard’s Irvine Campusに招待いただき、新クラスとなるスピリッドボーンを先行体験させていただいた。加えて、本作のゲームディレクターのブレント・ギブソン氏と、アートディレクターのニック・チラノ氏にインタビューすることができたので、紹介しよう。

プレイヤーに遊んでほしいプレイスタイルを想定して、それぞれの神に採用する動物を決めた

──本日はよろしくお願いします。スピリッドボーンは、精神の神様となる「ジャガー」「ムカデ」「イーグル」「ゴリラ」を召喚できるということですが、この4つの神様にした理由はありますか?

ニック・チラノ氏(以下、ニック氏):スピリッドボーンという新しいクラスを制作する際に、まずはプレイヤーに体験していただきたいゲームプレイのほうが先に思い浮かびました。そちらに合わせて、こういったゲームプレイをさせるにはこういった動物がふさわしいのではないかということで、決まっていきました。

──舞台がジャングルということで、ジャガー、イーグル、ゴリラはわかりますが、ムカデというのに驚きました。

ニック氏:ムカデに関しては、時間経過のダメージを与えるというコンセプトで、毒がいいんじゃないかと考えてムカデという選択にいたりました。また、“恐怖や生と死”というイメージも含めて、ムカデがふさわしいのではないかということで決めました。

恐怖や生と死をイメージに、ムカデを採用

──現実にある神話などを基にしたというわけではないんですね。

ニック氏:神話はとくにベースにしていません。ディアブロ IVには、天界や地獄といったしっかりとした世界観がすでにあるので、その世界観に沿ってふさわしい動物の神を連想して引き出してきたといった感じです。

──スピリッドボーンのキャラクターキーアートはとてもカッコいいですが、コンセプトやこだわりはありますか?

ニック氏:これは全クラスに言えることですが、コンセプトを作る段階で、ファンタジーをベースに仕上げていきます。さまざまなバリエーションを考えていき、さらに追加要素が出てきます。例えば、目の光方でどういった雰囲気を醸し出すのかなどですね。こういったキーワードを当てはめていくと、ナチュラルに完成します。

スピリッドボーンのキャラクターキーアート

初心者でも理解しやすい、オールラウンダーなクラスだが、奥が深く極めるのは難しい

──スピリッドボーンは、どのようなプレイヤーに遊んでほしいですか?

ブレント・ギブソン氏(以下、ブレント氏):一般的にクラスを考える場合、近距離が得意だけど遠距離は苦手など、得意不得意な分野が出てくると思います。スピリッドボーンは、得意な部分を伸ばしつつ、不得意な部分も補うサブの部分も作れるクラスなので、1つが飛びぬけているというよりはオールラウンダーなクラスになっているのではないでしょうか。不得意な分野を補えるという長所があるので、近距離・遠距離それぞれほかのクラスと比べて飛びぬけて強いといったことがないようにバランスを調整しています。

──スピリッドボーンは、最初のストーリーから使用できるのでしょうか?

ブレント氏:はい。拡張パックを購入いただければ、ゲーム本編のストーリーもスピリッドボーンでプレイいただけます。また、本編をスキップして憎しみの器のストーリーから開始することも可能です。

──スピリッドボーンのビルドの幅はとても広いように感じました。初心者のプレイヤーにうまく説明する方法やチュートリアルはありますか?

ブレント氏:ほかの5つのクラスに関しては、成長するにつれてプレイスタイルが明確になっていきますが、スピリッドボーンの場合は精神の神(守護神)がそれぞれプレイスタイルになっているので、簡単に理解してもらえるのではないかと考えています。しかし、複数の神を使えるという部分で、クラスの理解度が求められるようになってくるので、最初の理解は簡単ですけど、極めるのは難しいクラスになっているのではないでしょうか。

ビルドの幅が広いのも特徴

──スピリッドボーンを先行体験させていただいたのですが、とくにムカデの神が強く感じました。今回のフィードバックなどを受けて、調整はされるのでしょうか。

ブレント氏:今回のイベントのビルドに関しては作り途中のビルドで、バランス調整は行っている最中です。今回のようなイベントで皆さんにフィードバックを聞くことができるので、開発としてはありがたい機会だなとも思っています。新クラスに関しては5クラスにプラスしても違和感のないクラスに仕上げたいなと考えているので、今後も特色はあってもディアブロの世界に馴染むクラスにしていきたいと思っています。

先行プレイでは、ムカデがめちゃくちゃ強かったのだが、こちらは調整前とのことで、フィードバックも加味しつつ発売までにはしっかりと調整予定とのことだ

──今回はレベル30固定での試遊となりました。パラゴンを開放するにあたって、スピリッドボーンはもっと特徴的になっていくのでしょうか。

ブレント氏:シーズン4でアイテムに関して大幅に調整を入れました。後半の方のビルドを初期のほうに作り始められるようにしたいというのがありました。今回もそういった考えを基にクラスを作っています。パラゴンに関してはまだ話せないですが、そこも含めてプレイヤーがやりたいキャラクターを仕上げられるようにしていきますし、レベルが上がることでできることが増えるようになっていますので、レベルとアイテムが一緒に成長していくと考えていただければと思います。

──お2人の好きなビルドを教えてください。

ブレント氏:毎月変わっていきます(笑)。現状はジャガーとムカデの組み合わせが好きですね。ジャガーのスピード感を活かして敵に接近して、ムカデの継続ダメージでバタバタと倒していくというスタイルが最近のお気に入りです。

ニック氏:最初プレイしたときは1つの神をマックスに育てるという遊び方をしていましたが、遊んでいくうちに色々と試したくなりまして、今はゴリラとムカデを組み合わせたビルドが気に入っています。

毎月好みのビルドが変わるという2人。開発者側がしっかりと遊んで、スピリッドボーンを楽しんでいるようだ

──ありがとうございました。

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