Ryzen 9000シリーズの発売日や新チップセットが判明 AMD Tech Dayレポート
2024年07月15日 22時00分更新
Ryzen 9000シリーズはエネルギー効率を追求
7000シリーズよりもTDPが低い
AMDはRyzen 9000シリーズを立ち上げるにあたり、性能やSocket AM5プラットフォームの持続性といった要素のほかに、エネルギー効率を追求していると力説していた。
Ryzen 9000シリーズのTDPはRyzen 7000シリーズよりも大きく下げられている(最上位のRyzen 9 9950Xは例外)が、前シリーズよりTDPが低くてもより高いパフォーマンスを達成できると主張している。
その理由については、ヒートスプレッダーの素材や設計を見直し続けたことでRyzen 9000シリーズでは熱抵抗を従来より15%下げ、同TDPではCPU温度を7度下げることに成功したという。単純にこの温度の余裕をクロック増に転嫁するのではなく、エネルギー効率を最大化するよう調整したという。

Ryzen 9000シリーズにおいて電力効率の重要さをアピールするスライド。電力効率と性能はトレードオフではなく、両立させるものだというライバル(言うまでもなく、インテルのことだ)への強いメッセージのようにも感じる

電力効率を上げればCPU温度は低くなるし、ファンノイズも抑制できる。Ryzen 7000シリーズではTDPを高く設定し、温度の余裕を全部性能に振った結果、高負荷時の温度が高止まりしていたが、Ryzen 9000シリーズではどうなったのだろうか?

Ryzen 9 9950Xを除けば前モデルよりTDPが低くなった(左グラフ)にもかかわらず、前世代のRyzenに比べマルチスレッド性能(Blenderによるレンダリング)は2ケタパーセントの伸びを達成した

TDP 105WのRyzen 7 5800X3DとTDP 65WのRyzen 7 9700Xによるゲームパフォーマンス比較。TDPが40Wも低いのにゲームのフレームレートは平均12%向上したという。ただこのグラフには各ゲームにおけるCPUの実消費電力が記されていないので、鵜呑みにするのはあまりよろしくない
業界全体がAIを連呼している関係か、Ryzen 9000シリーズでもAIに関する言及はあった。すでにZen 4世代でAVX512やVNNIに対応しており、Zen 5では特別な命令セットは追加されていないが、Ryzen 9 9900XはCore i9-14900Kに比べLLMにおけるパフォーマンスが良いとアピールしている。
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