Chat GPTに対抗できるLLMの開発を
さらに、曽根岡CEOは、「ELYZAでは、2023年からは、Chat GPTに対抗することを考えて、LLMの開発を進めてきた。そして、今回は、到底たどり着けないと考えていたグローバルトップラインのGPT-4を超える性能を実現した。公開されているグローバルモデルと比較しても十分に活用できるというレベルに到達している。Llama3モデルに比べても、独自の学習をさせたことで、日本語性能を上げることに成功した。1兆円規模の開発投資を行う企業に対して、追いつかないのではないかとあきらめたり、疑心暗鬼になったりすることもあったが、あきらめずにやった結果、追いつくことができた。追いつけないと思ったらその時点で試合は終了である」と、今回の日本語LLMの開発に挑んだ姿勢について明かした。
だが、「どうやって勝てるかは、もう少し考えなくてはならない」とも語る。その上で、「例えば、汎用モデルができないことを探索することも必要である。また、領域を特化するといった道筋も、今後は重要になるだろう。たとえば、日本は製造業が多い。製造業に関してはピカイチのLLMを作るのも勝ち筋のひとつになる」と語った。ELYZAでは、汎用LLMをベースに、業界特化LLM、企業特化LLM、タスク特化LLMの開発を進めることを明らかにしている。
「特化LLMの開発においては、第1弾として、日本の知識に詳しいLLMを作る取り組みを進めている。経済産業省のGENIACプロジェクトに採択されており、法律や行政などの日本の知識や表現に対して、フィットするするLLMとなる。また、第2弾、第3弾の特化LLMも仕込んでいるところである」とした。
「選ばれるLLM開発」を掲げているELYZAは、日本語LLMの性能向上に大きく貢献するとともに、日本の企業のAI活用を、特化型という観点から促進していくことになりそうだ。
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