X-500(JN-IPS24X500FR-H-C6)をレビュー
500Hzディスプレーの実力を14900KF&RTX 4090搭載PCで絞り出す! 合計約80万円でロマンを追求
500Hz表示する場合は映像入力端子に注意
映像入力端子はHDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4、USB Type-C(USB 3.1)の4系統。このうちリフレッシュレート500Hz表示に対応している端子は、DisplayPortおよびUSB Type-Cのみ。HDMIは最大255Hzになってしまうため、注意が必要だ。
また、本製品は周辺機器接続用のUSB Type-Aを2つ備え、2台のPCで1組のマウスとキーボードを切り替えて使えるKVMスイッチ機能にも対応している。
KVMスイッチを利用する場合は上記イメージ図のように、まずディスプレーにマウスとキーボードをUSB接続。その上で、USB Type-B to Type-AケーブルとHDMI(またはDisplayPort)ケーブルを1台目のPCに接続。もう1台のPCには、USB Type-Cケーブルでディスプレーに接続する必要がある。
X-500のUSB Type-Cは65W給電(USB PD)もサポート。つまり、ケーブル1本でノートPCは映像出力と周辺機器接続、PC側が対応していればバッテリーの充電もできるというわけだ。デスクトップPCとノートPCでディスプレーを共有したい人にとっては、非常に魅力的な機能だろう。
もちろん、USB Type-B to Type-Aケーブルも付属するので、買ったその日からKVMを使える。一方で、映像用ケーブルは、HDMIケーブルとUSB Type-Cケーブルだけで、DisplayPortケーブルが付属しない点が惜しい。
デスクトップPCで500Hz表示を試そうとした場合、別途DisplayPortケーブルを用意しなければならない。ケーブル品質などの問題もないわけではないので、ここはしっかり500Hzが発揮できるケーブルを同梱してほしかったところ。
最大リフレッシュレートに対して応答速度が足りていない?
X-500の液晶パネルはノングレア(非光沢)タイプのIPSで、解像度はフルHD(1920×1080ドット)。輝度は500cd/m2と高く、コントラストは1000:1、sRGB 99%カバーなど、IPSパネルだけあって色域のカバー率も十分だ。HDR表示にも対応する。
画面同期技術はAMD FreeSyncに対応し、製品本来の目的であるPCゲームプレイ時など、フレームレートが変化する環境での画面のカクつき・チラつきを抑制できる。
一方で、スペック上の懸念もある。応答速度はオーバードライブ時にGtoGで3ms、MPRTで1msとなっているが、ここはもう少し速くなければならないはず。というのも、500Hz表示では1秒間に最大500回の画面更新が行われ、計算上は約2msごとに画面が切り替わるからだ。
実態から乖離しており参考にしづらいMPRTの値を除き、応答速度(GtoG)が3msなのであれば、公称値でも画面更新に色変化が追い付かない(=最大リフレッシュレートに対して必要な応答速度を満たせず残像が発生する)、ということになってしまう。
もちろん、過剰なオーバードライブは逆残像といった画質面の問題が出てくることもあるため、一概に高速であることがベストではない。そもそもGtoGの計測手法は、メーカーごとに微妙に異なるという厄介な問題もある。公称値が実際の動作にどれほど影響するかは、検証してみなければ判断がつかないものだ。
しかし、今回は限られた設備の問題もあり、詳細な応答速度の検証には手が出せなかった。本来なら非常に重要と思われる部分なので、この点は読者にお詫びしたい。
いずれにせよ、「スペック上は応答速度が足りないけど実際は足りていた」となることはなかなか考えにくいので、500Hz動作時に万全の画質を維持できないであろう点には疑問が残る(それが肉眼で体感できるかはともかく)。
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