第292回
OTOTEN発、LinkPlayの多機能ネット再生機「WiiM」とSHANLINGの「EC Smart」を聴く
OTOTEN 2024のMUSINブースで、WiiMシステムの新製品を見ることができた。
WiiMはLinkplayが開発した比較的低価格のネットワークプレーヤー製品群だ。単体でも使用できるが、真価を発揮するのは複数台を組み合わせてネットで使用したときである。ポイントは出力だけではなく、入力ができること。WiiMデバイスはAirPlay、Chromecast、DLNA、Roon Readyなど、幅広いネットワーク接続機能を備えているが、さらにLinkplayの独自形式でネットワーク上にオーディオデータをブロードキャストできる。これによって、マルチルームシステムやワイヤレスのステレオペアを簡単に組める。
WiiMのシステムは異なるサイズで入出力のバリエーションも様々なハードウェア群で構成されているが、システムの核となるOSは共通である。ハードウェアの差があっても、ソフトウェアはほぼ同じものとして扱えるのもポイントだ(一部例外あり)。このOSでは、直接Amazon Musicをストリーミングすることも可能で、ロスレスのハイレゾ品質で再生できる。
独自の利便性を持つ、WiiMのネットワークプレーヤー
OTOTENではWiiMの最新モデルである「WiiM Ultra」と「WiiM Amp」を中心にデモを行っていた。
「WiiM Ultra」はタッチスクリーン対応で、デジタルハブと位置付けるモデルだ。特徴はフォノ”入力”とHDMI”入力”があるということだ。出力だけではなく入力の機能が充実しているネットワークプレーヤーは珍しいが、さらにフォノ入力がある機材はおそらく初めてだろう。
これまでもWiiMではアナログ入力があり、レコードブレーヤーなどを接続してAD変換してからネットにブロードキャストし、ネットワークの離れたところで聴くことが可能だった。フォノ入力に対応したことでより高音質のターンテーブルも接続できるようになる。WiiM UltraはDACとして、ESS Technologyの「ES9038Q2M」を搭載しているので、普通にネットワークプレーヤーとして、オーディオシステムに接続できる。こうした柔軟性が「デジタルハブ」たるゆえんだろう。
「WiiM Amp」は、WiiMシステムにスピーカーを駆動するためのアンプを搭載したモデルだ。サブウーファー出力まで用意しているのは特徴だ。WiiM AmpはスピーカーアンプとしてTIの「TPA 3255」デジタルアンプを搭載。60W+60W(8Ω)、120W+120W(4Ω)ハイパワー出力を可能としている。聴くとデジタルアンプらしいクリアかつニュートラルな出音で、Hi-FiシステムからAVシステムまで様々な用途で組み合わせやすいと思う。
WiiMにはこれ以外にも超小型の「WiiM Mini」や標準的な「WiiM Plus」、その改良版の「WiiM Pro Plus」などがある。WiiMシステムに興味を持った人は、最初に「WiiM Pro」をメインにして単体運用し、次に「WiiM Mini」をサブ機として組み合わせていくところから始めるのがいいだろう。
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