2年連続で過去最多を更新
毎日のように届くフィッシング詐欺のメールやSMS。コロナ禍以降、急速に増えたイメージですが、実際はどうなのでしょうか?
フィッシング対策協議会は2024年6月、2023年に起きたフィッシング詐欺の動向・被害・調査などをまとめた「フィッシングレポート2024」を公開しました。レポートによると、2023年の報告件数は過去最多の119万6390件を記録したとのこと。
報告件数は2017年から一貫して右肩上がりで、2023年は上半期が53万804件、下半期は66万5586件でした。その結果、前年から22万7558件増えましたが、これだけでも2020年通期の報告件数を超える数字です。やはりコロナ禍以降に急増しているようです。
対前年で1.23倍にまで増えたこの状況について、マカフィー 日本・アジア地域チャネルマーケティング 執行役員 本部長 兼 セキュリティ エヴァンジェリストの青木大知氏にうかがったところ、「海外の調査を見ると、数字が増加している要因の1つとして、攻撃の場がパソコンからモバイルへ広がっていることが挙げられるでしょう」とのこと。
また、「グローバルの統計では、モバイルデバイスに対するフィッシング攻撃が85%増加したという報告もあり、その勢いはとどまるところを知らない状況にあります」として、悪意ある人たちにとっては、メールやメッセージを受け取れるデバイスが増えた分だけ、攻撃の機会も増加している現状を教えてくれました。
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全体的に増加・高止まり傾向続く
フィッシングメール・SMSの誘導先である「フィッシングサイトのURL件数」は計19万3954件でした。グラフでは大幅に下がったようにも見えますが、これは前年下半期が突出しているためで、よく見ると報告件数同様、右肩上がりのままであることがわかります。
2023年の下半期には減少傾向が見られましたが、2024年に入ってからは一転して急増、1~5月の合計のみですでに16万件を超えてしまいました。
「ブランド名を悪用された企業」の件数は1079件で、前年の1108件からは減少していますが、2017年からのグラフを見る限り、高止まりしていると判断すべきでしょう。
なお、AmazonなどECサイト大手、クレジットカード会社、そしてマイナポイント事務局など公共/交通系サービスを騙るものが目立ちました。利用者が多いサービスを狙っているものと思われます。
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