QNAPは、同社のNAS製品におけるAI機能を活用し、ストレージの使い勝手の向上に積極的に取り組んでいる。その意図はどこにあるのだろうか? 先頃、台湾・台北市で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2024のQNAPブースで、その一端を垣間みることができた。
QNAPはNAS製品においてもAI機能を強化すべく、NPU(Neural network Processing Unit)を搭載した製品の拡充を図っており、これらの製品を利用することでNASに保存された大量のデータの中からユーザーが求めるデータを見つけやすくすることを可能にするオリジナルのAIアプリも展開している。
そのひとつが写真検索・管理アプリの「QuMagie」だ。このアプリは、NASに写真や動画ファイルを保存すると自動的にタグ付けを行ない、撮影日や被写体などの単位でフォルダー分けをしてくれる。そのうえ、AI機能を活かして特定の人物が写った写真を検索してくれたり、動物やモノ、スポーツなどのイベントといった分類ごとの検索もできる探索機能を備えている。
さらにQNAPでは、AI機能を活かしてNASに保存されたデータの中身も参照し、ユーザーが求めるキーワードと関連性が深いデータを検索できる「Qsirch」も展開している。同アプリでは、同社のSmart AI OCRテクノロジーに対応し、画像内のテキスト情報を認識し、その文字列が入った画像を検索できるようにするほか、セマンティック検索クエリもサポートしており、"寝転がったネコ"などのシチュエーションを特定した画像を検索することもできる。
QNAPでは、こうしたAI機能をより多くのNAS製品でもサポートできるようにすべく、オプションとして3TOPSのAI処理性能を持つAIアクセラレーターモジュールを参考出品。USB 3.2 Gen.1またはPCIe Gen2 x1 M.2の2タイプの発売を予定している。
また、 同社のビデオ監視ソリューションでもAI機能を活用された強化が施されている。同社のNVRビデオストレージとVMSビデオ管理を統合し、さまざまなブランドの監視カメラなどを柔軟に組み合わせることができるQNAP QVR監視ソリューションでは、PCを用いずともNVRサーバー側でAI画像認識や検索を可能にし、特定の人物が写ったビデオをすべて検索・再生したり、オフィスに未登録の人物が入ろうとしたときにアラートを発したりすることもできるようになる。
このほか、QNAPは25GbEやThunderbolt 4に対応したNAS製品、USB 4 - 10GbEアダプターなども公開し、ストレージ性能を飛躍的に向上させることにより、ビデオ編集などのプロフェッショナルワークフローの効率化を推進するとアピールしていた。
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