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OTOTEN2024開催、このイベントだから聴ける「音」を探す

2024年06月23日 14時30分更新

アナログオーディオなど、ハイエンドの世界にも触れられる

町工場から生まれたハイエンドターンテーブル
由紀精密「AP-01EM」

 機械設計エンジニアの社長が、自ら創りたいという情熱から生まれたマグネットベアリングを使ったターンテーブル、それが「AP-01EM」である。EMはアームレスモデルで、好みのトーンアームを2本まで搭載できる。受注生産で価格は385万円、ここにはメインのトーンアームベースの加工料が含まれている。今回、初めてその音を聴いたが、想像していた輪郭がシャープで粒立ちが強調された音ではなく、響きは柔らかく、それでいて解像度が高い音で、極めて自然、ハイエンドの矜持が感じられた。

「AP-01」はオリジナルのストレートアーム(画像右)を搭載したモデルになる

永久磁石による非接触軸受であるマグネットベアリングは、回り続けるコマのようにシャフトが1点のみで接触している

440万円のトーンアームGLANZLAB「刀」は全長330mm

 「AP-01EM」にも搭載されたことがあるハイエンドトーンアーム「MH-12 KATANA」はSUS304と呼ばれるステンレス鋼をアームパイプに使い、さらにこれを窒化処理することで表面硬度を高めている。パイプ内部にはカーボン繊維がたっぷり充填されているという。またメインウエイトには重量を増すため穴が開けられタングステン棒が挿入されているのだが、この数を16個から18個に増やしている。全長330mm、全体の重量は1.2kgもある。全てのパーツが硬い素材であり、接着剤を使わないため組み立ても困難を極めるそうだ。ヘッドホンで聴いた音には、曖昧さがなくストレートでクッキリとして切れ味の鋭いものだった。

同社のシリーズの中で究極のプレミアムモデルを「刀」と名付けた

重量増加に必要な穴を16から18に増やすと余白がギリギリになった

試聴システムも総額1000万円を超えるハイエンドモデルが集結した

DVASからも新製品、200万円を切りたい「Model 3」

 大手電機メーカーの設計担当だった桑原光孝氏が2022年に設立したオーディオメーカーがDVASである。現在までにフォノイコライザーとヘッドホンアンプを製品化してきた。その音質もデザインも独自性が光り、いつかは手に入れたいと思わせるものだ。今回はプリアンプを参考出品。部品調達が間に合わないとのことで外装の展示だったが、中身なしでも10kgに迫る重さがあった。理由はアルミ合金の削り出しで内部に隔壁があるとのこと。さらに同じサイズの電源部がセパレートで付属するという。内部は完全差動回路で機械的接点がなく、半導体リレーで動作する方式。電源部はトランス独立式で10kgを超える予定。桑原氏によれば200万円を超えると誰も買ってくれないので、それは切りたいとのことだった。

「Model 3」は完全バランス回路のプリアンプだった

入力はライン6系統、左右独立ボリュームは抵抗切替型を採用

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