ASRock極小ベアボーンキットのSocket AM5版「DeskMini X600」の登場で、いよいよRyzen 8000Gを使った極小PC自作がおもしろくなってきている。5万円を超えてしまうのは難だが、iGPUのなかで現状トップクラスとなるRadeon 780M(12CU)を内蔵し、小型PCでゲームを楽しめるRyzen 7 8700Gで最上位はキマリ。
そしてゲームを遊びつつ、価格を抑えたいという人は、iGPUコアが8CUとなるRadeon 760Mを内蔵した6コア/12スレッドのRyzen 5 8600Gが狙い目となる。どちらも魅力的で、秋葉原のパーツショップスタッフたちも売れ筋としてオススメするが、Ryzen 8000Gシリーズにはもうひとつ選択肢がある。それが、Socket AM5 CPUのなかでは、最安の2万5000円前後で販売されているRyzen 5 8500Gだ。
実際のところ、上位2つのモデルとは仕様がかなり異なっており、6コア/12スレッドはRyzen 5 8600Gと同じだが、コア構成はZen 4×2コアと、低消費電力での動作に最適化されたZen 4c×4コアを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャーの「Phoenix 2」が採用されているのだ。
そしてRyzen 8000Gの魅力であるiGPUも、RDNA 3アーキテクチャー採用ではあるものの、iGPUコア数が4CUとなるRadeon 740Mになる。そのほかにもRyzen AIが非搭載で、CPU内蔵PCIe 4.0レーン数も減少している。
Ryzen 8000Gシリーズスペック表 | ||||||
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Ryzen 7 8700G | Ryzen 7 8600G | Ryzen 5 8500G | ||||
アーキテクチャー | Zen 4(4nm) | Zen 4(4nm) | Zen 4(4nm) | |||
コア/スレッド | 8/16 | 6/12 | Zen 4 2+Zen 4c 4 /12 | |||
ベースクロック | 4.2GHz | 4.3GHz | Zen 4:3.5GHz、Zen 4c:3.2GHz | |||
ブーストクロック | 5.1GHz | 5.0GHz | Zen 4:5.0GHz、Zen 4c:3.7GHz | |||
L2キャッシュ | 8MB | 6MB | 6MB | |||
L3キャッシュ | 16MB | 16MB | 16MB | |||
NPU | Ryzen AI | Ryzen AI | - | |||
内蔵GPU | Radeon 780M | Radeon 760M | Radeon 760M | |||
GPUアーキテクチャー | RDNA 3 | RDNA 3 | RDNA 3 | |||
CU数 | 12 | 8 | 4 | |||
対応メモリークロック | DDR5-5200 | DDR5-5200 | DDR5-5200 | |||
PCI-Expressレーン | PCIe Gen 4.0 16レーン※ | PCIe Gen 4.0 16レーン※ | PCIe Gen 4.0 10レーン※ | |||
TDP | 65W | 65W | 65W | |||
対応ソケット | Socket AM5 | Socket AM5 | Socket AM5 | |||
実売価格 | 5万3000円前後 | 3万4000円前後 | 2万5000円前後 |
※ユーザーが使用できるレーン数
Ryzen 7 8700GとRyzen 5 8600Gについてはこちら
2024年2月1日、AMD Ryzen 8000Gシリーズの販売が解禁となった。先行してAMDよりRyzen 7 8700GおよびRyzen 5 8600Gの2モデルをお借りできたので、既存モデルと比較してみた。
AM5最安ではあるが、PCIe 4.0レーンの関係でビデオカードを搭載することを考えた構成にはおすすめできないが、DeskMini X600との組み合わせは悪くないように感じた。というわけで、さっそくRyzen 5 8500Gを購入して、その実力を試してみることにした。
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