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グランツーリスモ王者・冨林勇佑、今年も富士24時間レースのクラス制覇ならずも手応え掴む

 今年で7回目の開催となった「ENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE」の「第2戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」。グランツーリスモ世界チャンピオンの冨林勇佑が駆る41号車「エアバスターWINMAX GR86 EXEDY」(TRACY SPORTS with DELTA)は初のクラス優勝を目指して24時間を戦ったが、結論から言うとトップから4周遅れのST-4クラス2位となり、悲願達成とはならなかった。

 4月に行なわれたスポーツランドSUGOでの第1戦では上位争いを展開するも、アクシデントにより後退し、クラス5位に終わった。シリーズチャンピオン争いでは出遅れる形となったが、この富士24時間を制することができれば一気に大量得点が入るため、チームもなみなみならぬ気合いが入っていた。さらに今回はドライバーの布陣を変更し、これまでの石井宏尚と冨林に加えて、尾崎俊介と大田優希の4人体制で今季一番の長丁場レースに臨んだ。

(左の男性から)大田優希選手、冨林勇佑選手、石井宏尚選手、尾崎俊介選手

予選ではポールポジションを獲得!
決勝は順位を落とすも2番手まで挽回

 予選ではAドライバーの石井が1分58秒592を記録すると、Bドライバーの冨林も1分56秒759をマーク。合算タイムで3分55秒351となり、クラスポールポジションを獲得した。

冨林勇佑選手

 25日15時から始まった決勝レース。41号車は石井がスタートドライバーを務めた。毎年、レース序盤は激しいポジション争いが展開されるため、各チームともエースドライバーを第1スティントに持ってくるケースが多く、2番手の884号車「シェイドレーシング GR86」は国本雄資、4番手の3号車「ENDLESS GR86」は菅波冬悟などSUPER GTなどでも活躍するトップドライバーをスタートに起用した。石井はこの2台の先行を許すも、その後はしっかりと食らいついていき、3番手でポジションをキープしていく。

 なんとかトップ2台の間に割って入るチャンスを探りたいところだったが、フルコースイエローが入ったタイミングでの運もあり、徐々に差が広がっていく。特に884号車のペースが良く、スタートから5時間を迎えたところで、2番手に対して1周の差をつけていた。3番手につける41号車は冨林がスティントを担当して、少しでも前に追いつこうと懸命の走りをみせた。

 全体的に大きな波乱もなくナイトセッションを迎えると、パラパラと雨が降り始めた。最初は路面コンディションに影響を及ぼすほどではなかったが、23時を過ぎたあたりから雨量が少しずつ増していき、日付が変わるころには路面はハーフウエットとなった。ルーティーンストップのタイミングでウェットタイヤに交換する車両も見受けられたが、路面コンディションを考慮するとタイヤ選択の判断が難しいところで、ドライバーとチームにとっては頭を悩ませる時間帯となった。

 そこで41号車は石井が担当していたが、難しい状況の中でしっかりとマシンをコース上に留め、トップ2台に対して遜色ないタイムを記録。次第に雨も止んで、日曜日の朝にはドライコンディションに回復。41号車も3番手を維持していた。

 チェッカーまで残り5時間を切ったところで、2番手を走っていた3号車がルール上の義務であるメンテナンスタイムのためピットイン。この間に41号車が逆転して2番手に浮上した。なんとかトップまで追いつきたいところだったが、残り4時間を切って884号車との差は3周ついており、自力での逆転は難しい状況。それでも少しの可能性を信じて、アンカーの冨林が追いかけ続けた。

 結局、最後まで順位の変動はなく26日15時にチェッカーフラッグ。41号車はクラス2位で富士24時間を終えた。

 今年も優勝に届かず悔しそうな表情を見せた冨林だが「クルマも壊れることなく24時間を走り切れたのは良かったと思いますし、何よりAドライバーの頑張りがすごかったです!」と石井の走りを絶賛した。

 「スタートからプロの2人に離れずについていけていたのがすごかったですし、夜中に雨の中をスリックタイヤで走らないといけない状況下で良いペースで走っていて、ちゃんとクルマを無事に持って帰ってきたというのは、本当に素晴らしい走りでした。勝ちたかったですけど、GR86を使っているチームはほどんどメカニカルトラブルがなくて、すごくレベルが高かったです」(冨林)

 これで41号車がトップから13ポイント差のランキング3番手。富士24時間優勝はならなかったが、今季もチャンピオン獲得に向けて十分可能性がある位置につけている。

 また、同じTRACY SPORTS with DELTAでエントリーする39号車「エアバスター WINMAX RC350 TWS」が見事クラス優勝。レース前半にライバルの先行を許すも、夜中の雨でペースを上げて逆転。これまで富士24時間では不運が多かった39号車が、悲願のクラス制覇を飾った。

39号車「エアバスター WINMAX RC350 TWS」

同チームの別のマシンがクラス優勝!

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