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ライカならではのレンズやルックを使って猫撮影が楽しめるiPhoneアプリ「Leica LUX」が実に魅力的だ

2024年06月19日 12時00分更新

これ、iPhoneで撮りましたと言うと、「え?」と思われそうな1枚。「Leica LUX」で撮ると、iPhoneでも背景がこんなふうにボケた、味のある写真が撮れるのだ。2024年6月 アップル iPhone 15 Pro Max

 この連載でも取り上げた「Xiaomi 14 Ultra」というシャオミとライカが協業して作ったカメラ……、いやカメラじゃなくてスマホなんだけど、あのカメラが妙に気に入ってしまって、欲しいと思ってしまったiPhoneユーザーもけっこういるんじゃないかと思う。何を隠そう、私がそうです。あのカメラ独特の味わいに心引かれるのだ。

 かといって、さすがに、iPhoneの最上位モデル(iPhone 15 Pro Max)とシャオミの最上位モデルの両方を持つとか、金額的にありえない。と思ってたら、突然、iOS用にライカ純正カメラアプリ「Leica LUX」がやってきたのである。iPhoneにライカがやってきたのだ。

 思わず、ダウンロードする。そして、ちょっと撮ってみる。

 これは、無償版だといまひとつ良さが出ない。2週間は無料で使えるというので、有償版の「Leica LUX Pro」にしてみた。そうしたら、ライカならではのいろいろなレンズやルックが使えて、Xiaomi 14 Ultraと同等になる、ということはないのだけど(搭載してるカメラユニットが違うのだから当たり前だ)、かなり近い感じで楽しめるじゃないか。

 冒頭写真がそう。ライカの「APO-TELYT 135mm F3.4」というレンズを摸したモードで撮ったキジトラ。カメラ自体は「iPhone 15 Pro Max」の5倍望遠カメラなんだけど、背景のボケや色が純正カメラアプリとはちょっと違うでしょ。

 さらに、ライカっぽいルックがいっぱい用意されている。冒頭写真は「Leica Contemporary」で撮った。

 モノクロ系の充実もうれしいところで、これは「Leica Blu」。サイアノタイプ(日本語だと「青写真」)をイメージしたもので、青みがかったモノクロ写真だ。

少し青みがかっていて、クールでカッコいい。背景のボケ具合も注目。「Leica Blu」での撮影だ。2024年6月 アップル iPhone 15 Pro Max

 このキジトラ、遠くでじっとしてると思ったら、こっちへとことことやってきたのである。思わずレンズを「NOCTILUX 50mm F1.2」に切り替えた。Leica LUXというアプリは、ズーミングではなく「ライカの複数のレンズを切り替えて使う」という作りになっているので、焦点距離を変えるのにちょっと手間取るが、そこはしょうがない。

すぐ近くによってきたキジトラ。ちょうど舌で鼻を舐めた瞬間を撮れた。背景のぐるぐるしたボケ方が特徴的。ルックは「Leica Contemporary」。2024年6月 アップル iPhone 15 Pro Max

 ここからは、室内猫編。まあ、いつもの「保護猫シェルター QUEUE」なのだけど。

 1枚目は「Leica Eternal」。ライカの新しいルックで、これが実にモダンな写りを見せてくれて魅力的なのだ。色がこってり鮮やかでコントラストが高く、すごくくっきりしたカッコいい写真を撮ってくれる。

Leica LUXの撮影画面。使っているレンズやルック、絞り値などが表示されている。

「Leica Eternal」で撮ったエターナルなお昼寝猫。レンズは「SUMMILUX 35mm F1.4」。この色や階調をぱっと出せるアプリはなかなかない。2024年6月 アップル iPhone 15 Pro Max

 ライカルックには、昔ふうの写真を撮れる「Blue」や「Classic」から、すごくモダンな雰囲気になる「Eternal」まで幅広く揃っていて、ついつい使いたくなるのだ。

 この日は、久しぶりに膝猫だ。しゃがんでカメラをあれこれ設定していたら、1匹がこっちにそーっとやってきたのである。もしや、あなたは私の膝に乗ろうとしているのですか。

とことこと足元へやってきた「もみじ」。約10歳。「SUMMILUX 28mm F1.4」で撮影。ルックは「Leica Classic」。2024年6月 アップル iPhone 15 Pro Max

 そうかもしれない、と猫が収まりやすいようにあぐらをかいてやると、ひょいと乗ってきたのだ。

ひょいと乗っかってきた瞬間。「Leica Blu」で。レンズシミュレーションはなしで。2024年6月 アップル iPhone 15 Pro Max

 こうなったらフロントカメラの出番。Leica LUXはフロントカメラにも対応してるのである。頭を撫でられて気持ちよさそうな姿を、そっとフロントカメラで。ルックは「Leica BW High Contrast」。

片手で猫を撫でながら、もう片方の手でiPhoneを持って撮影してみた。気持ちよさそうに寝ております。猫を起こさずにそっと撮るにはスマホが一番いい。2024年6月 アップル iPhone 15 Pro Max

 この「もみじ」、ときどき気まぐれを起こして膝に乗りたがるらしい。たまたまそんな気分だったのだ。この日は結局、ほぼ膝猫を撫でて終わってしまったのだった。

 では帰ろうと、シェルターを出て振り返ると、窓際でこっちをじっと見てるハチワレが! 思わずLeica LUXで撮影。ルックは「Leica Eternal」。

窓越しに「APO-TELYT 135mm F3.4」の望遠で。ちょっと侘しげな感じに写っているのがすごくいい。2024年6月 アップル iPhone 15 Pro Max

 さて、このLeica LUX。ライカ純正のカメラアプリでとーっても魅力的なのだが、Proバージョンを使うには月々1000円(1年まとめて払うと1万円)。カメラアプリとしてはかなりお高い。

 2週間のお試し期間が終わるまでに、どうするか決めねばならないのだった。SNSやブログに猫写真を上げるにはすごく魅力的なアプリなのだけど……どうしよう。悩んでます。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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