CA-A5A01搭載のAMD「Ryzen 5 7530U」はモバイル向けCPUながら
数世代前のデスクトップ向けCPUに引けをとらない性能!
mouse CAシリーズは小型PCということもあって、CPUにはデスクトップ向けではなくモバイル向けの省電力タイプが採用されている。最新CPUや外付けGPU(ディスクリートGPU)を搭載したタワー型デスクトップPCに比べるとパフォーマンスは控えめだ。
とはいえCPUには現行世代のAMD Ryzen 7000シリーズが採用されており、数世代前のデスクトップ向けCPUと比べても引けを取らないほど高性能。普段使いはもちろんだが、ビジネスやちょっとしたクリエイティブ用途にも対応できるパフォーマンスは実現している。
今回試したCA-A5A01の場合は、CPUにAMD「Ryzen 5 7530U」を搭載しており、グラフィックス機能としてはCPU内蔵の「AMD Radeon グラフィックス」を利用できる。メモリーは32GB(16GB×2/デュアルチャネル)で、ストレージは1TBのNVMe SSDという構成だった。
Ryzen 5 7530UはTDPが15Wの省電力設計で、薄型ノートPCなどに搭載されることの多いCPUだ。CPUアーキテクチャはZen 3世代で、最新ではないもののパフォーマンスは十分高く、性能と電力効率、コストのバランスが優れているのが特徴。そこでその性能をチェックするためベンチマークテストをいくつか実行してみることにした。
オフィス系ソフトなど一般的な用途には不足のないパフォーマンスを実現
CPUのコア単体の性能と総合性能を測るため『CINEBENCH R23』を実行してみたところ、マルチコアが「6602pts」、シングルコアが「1394pts」となった。また『CINEBENCH R24』ではマルチコアが「396pts」、シングルコアが「84pts」だった。シングルコアがやや低めではあるものの、マルチコアのスコアはライバルとなる第12世代Core i5-1230Uあたりと同等か、少し高いスコアになっている。普段使いやビジネス用途はもちろんだが、複数の処理を同時に実行するマルチタスクや動画のエンコードなども快適だろう。
PCの総合的なパフォーマンスをチェックする『PCMark 10』を試してみたところ、次のようになった。
『PCMark 10』のベンチマーク結果(単位:スコア) | |
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総合スコア | 5326 |
Essentials | 9229 |
Productivity | 8811 |
Digital Content Creation | 5044 |
快適さの目安は、基本性能を示す「Essentials」が「4100」以上、ビジネスアプリのパフォーマンスを示す「Productivity」が「4500」以上、クリエイティブ系アプリのパフォーマンスを示す「Digital Content Creation」が「3450」以上となっているが、そのいずれも大きく上回っている。動画視聴やWeb閲覧、オンライン会議などの普段使いはもちろん、ビジネス文書作成や、画像編集のようなクリエイティブ系の用途にも対応できる性能を持っていることが分かる。
3Dグラフィックス性能の計測として、定番のベンチマークソフト『3DMark R23』でチェックしてみた。
『3DMark R23』の計測結果(単位:スコア) | ||
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テスト | 総合スコア | グラフィックススコア |
Time Spy | 1294 | 1151 |
Fire Strike | 3092 | 3328 |
Fire Strike | 10403 | 11543 |
内蔵GPUも一般的な用途や写真編集などのちょっとしたクリエイティブ用途には十分なパフォーマンスを持っている。軽めのゲームなら解像度や品質を妥協すればそれなりに楽しめるはずだ。
そこで、ゲーム系のベンチマークソフトとして、『ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク』『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク』で計測した。
『FINAL FANTASY XIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク』の結果 | ||
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グラフィックス設定 | 標準品質 | |
解像度 | 1920×1080ドット | |
スコア/評価 | 4444/普通 |
『FINAL FANTASY XIV: 黄金のレガシー ベンチマーク』の結果 | ||
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グラフィックス設定 | 標準品質 | |
解像度 | 1920×1080ドット | |
スコア/評価 | 3237/設定変更を推奨 |
その結果、『FINAL FANTASY XIV: 暁月のフィナーレ』くらいの重さのゲームであればフルHD(1920×1080ドット)解像度でも品質次第ではなんとか遊べることが分かった。小型PCをゲーム目的で購入する人は少ないはずだが、リモートワークの合間などに息抜きでちょっとしたオンラインゲームを楽しむにはピッタリだろう。
なお試用機のCA-A5A01には、ストレージとして1TBのNVMe対応M.2 SSDが搭載されていた。ストレージのアクセス速度を計測できる『CrystalDiskMark』を実行してみたところ、シーケンシャルリードが3400MB/s超と高速。日常のデータ読み込みや書き込みはもちろんだが、動画などの大容量ファイルの読み込み時間や重量級アプリの起動時間短縮にも役立ってくれそうだ。
CA-A5A01は、メモリー大盛りでもリーズナブルでコスパ良好な小型PCだ
片手でもつかめるほどコンパクトで、設置場所を選ばない小型PC「mouse CA」シリーズ。省スペースなPCとしては優れた処理能力を持つCPUを搭載しており、Web閲覧や動画鑑賞、ビジネス文書作成、写真編集など、仕事からプライベートまで幅広いシーンで活用できる。
今回試したCA-A5A01の場合、メモリーが32GB、ストレージが1TBながら、直販価格12万9800円とコストパフォーマンスも良好だ。メモリー16GB、ストレージ容量256GBのエンタメ向けセットの場合は、さらにリーズナブルな価格で手に入れられる。リモートワークで仕事に使うための省スペースなPCを探している人や、机の上に設置しやすい小型PCを探している人はぜひ注目してほしい製品だ。
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