6月3日〜6月7日の期間、アスキー編集部は台湾で「COMPUTEX TAIPEI 2024」を取材した。
筆者も現地取材班の1人だったのだが、台湾に行くと決まった時に、併せて向こうの異文化も伝えたいと思い、最初に思い浮かんだのが「アニメ」だ。
海外のアニメ文化を知ろうとして真っ先に思い浮かんだのは、日本のアニメ・マンガ商品が集約する「アニメイト」。筆者は、月に一度は秋葉原にあるアニメイトに行って、好きなアニメのグッズやマンガを購入している。台北市にも店舗があれば比較しやすいと思ったのだが、期待通り台北にもアニメイトがあった!
そこでアニメイト台北を取材した。商品ラインナップや店内の様子から、海外では日本のアニメ・マンガがどのように普及しているのかをお伝えしよう。
人気作品はほとんど変わらない
日本語版と翻訳版が混在する「アニメイト台北」
「台湾で人気を感じる作品は?」と現地のアニメイト担当者に聞いてみたら「日本とほとんど変わらない」という。
たとえば日本で劇場版が公開された作品は、台湾でも追うように少し遅れて劇場版が公開され、日本のトレンドと同じように盛り上がりを感じているという。店内ではトレンド作品の看板やパネルが設置され、入ってすぐの棚にマンガや画集が並べられていた。
店内に入ってすぐに迎えてくれるのが「新刊コーナー」。マンガやライトノベル、画集などの新刊が並んでいる。
台北のアニメイトには日本語版の本も置いている。日本語版は日本で書籍が販売されておよそ1、2週間ほど遅れて台湾でも販売されるという。「マンガや小説で日本語を勉強したい」「オリジナルの日本語版で読みたい」という作品のファンがいるようで、そのような人たちに需要に応えているそうだ。
月刊の漫画雑誌や画集も充実。アニメやマンガ、ゲームの画集はもちろん、日本の声優さんの写真集なども複数並んでいる。
もちろん多くの書籍は台湾の言語で展開される。台湾の出版社が作品ごとに委託を担当するので、週刊誌(連載レーベル)ごとに作品が陳列されているわけではなく、台湾の出版社が抱えた作品ごとに並んでいる。
グッズも豊富な品揃えだ。アクリルスタンド、クリアファイル、キーホルダー、缶バッチなど、充実のラインアップで、アニメファンには楽しい買い物ができるだろう。
小説は日本の2倍近い価格
台湾でアニメイトに来る客層は?
価格の違いが感じられるように最後に買い物をしてみた。日本だと748円の小説が260台湾ドル(およそ1209円)。海外への販路や為替の影響があるので買い物をする時は価格に気を遣わなければならない。
台湾は日本に比べて物価が安い。ちなみに台湾の2022年新卒の平均月給は3万1000台湾ドル(およそ15万円)で、日本の2022年新卒の平均初任給額21万7000円のおよそ69%となる(台湾メディア工商時報調べ)。
物価が安いうえ日本より2倍近くも本の価格が高いのだから、日本と台湾とで小説1冊を買うのは感覚が異なるだろう。台湾の人は高価な買い物と感じるはずだ。
それでも店内で賑わいを見せている買い物客は、制服を着ている学生や、缶バッチたくさんのバッグを持って推し活する人など、その光景は日本の秋葉原と同じような雰囲気に感じた。
アニメに熱狂するファンが台湾にもいたぞ!
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります