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家電買っている間に充電!? 急速充電器を設置するコジマ×ビックカメラ、その目算は?

2024年06月08日 10時00分更新

EV充電

 コジマ×ビックカメラは、足立加平店にテラチャージ(旧テラモーターズ)が提供する最大出力150kWの急速充電器を設置し、6月3日からサービスを開始した。また、翌4日には高井戸東店でも同様のサービスをスタートしている。ガソリン給油と同等の短時間でEVを充電できることをウリとしている。

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除幕式に参加した株式会社コジマ執行役員総務人事本部成田博芳総務部長(左)とテラチャージ急速充電事業部上野学部長

最大60分まで充電できるEVチャージャーを設置

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コジマ×ビックカメラ足立加平店

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テラチャージの150kW急速充電器

 テラチャージは2022年4月からEV充電インフラ事業に参入した企業。既存の集合住宅向けの基礎充電サービスを開始し、2024年5月1日現在では1803ヵ所/4356口のコンセントを設置しており、昨年末の段階で2万5000口の受注を受けている。

 2023年9月には急速充電の分野にも事業拡大。「急速充電器1000基無料導入プラン」を掲げ話題を集めた。足立加平店はそのサービス第1号機となる。当初は今年2月頃のローンチを予定していたが、高圧電線の引き込みに関する手続き等に時間がかかり、4ヵ月遅れの6月にサービスを開始した。

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充電する電気自動車

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充電器はテラチャージの専用アプリで操作する

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 急速充電は時間制で価格は1分90円。24時間利用可能で、充電中に別途駐車料金は発生しない。電気自動車の中には150kWで充電できない車種もあるが、出力電力による料金変動はない。現状では最大60分間までだが、状況をみて充電量による従量制に切り替えていく計画だという。

 利用方法は専用のアプリから場所を指定するだけとカンタンだが、一般に普及しているe-Mobility Powerの充電カードを使うことはできない。

充電器を設置することで来客促進にもなる

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テラチャージ急速充電事業部上野学部長

 テラチャージ急速充電事業部の上野学部長は「コジマ様にいらっしゃるお客様の多くは車を使われています。EVを充電している間、お買い物をする。逆にお買い物をしている間、EVを充電するといった、お客様へのサービス向上を果たせると思います」と挨拶。

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コジマ執行役員 総務人事本部 成田博芳 総務部長

 コジマ執行役員 総務人事本部の成田博芳総務部長は「(環状7号線沿いの)足立加平店をはじめとして、当社では幹線道路沿いに多くの店舗を構えており、自動車で来店されるお客様がとても多いです。EV充電器を設置することは、お客様への利便性の向上につながるとともに、来店促進に結び付くと思っています」と、急速充電器への期待を語った。

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実際に充電するコジマ 執行役員 総務人事本部 成田博芳 総務部長

 また、年内に都内でさらに8ヵ所の急速充電器を設置する計画を進めていることと、関東近郊でも2025年以降に急速充電器を設置する計画を立てていることを明かした。だが引き込む電力線の問題などから、設置するすべてを150kW急速充電機にすることは難しいという。またテラチャージ側でも、2024年中に100基の急速充電器を設置する予定とのこと。

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充電する車両

 EVの普及には、利用者に不安を感じさせないインフラ整備が不可欠。経済産業省は2030年までに30万口のEV充電器設置を目標に掲げ、急速充電器の出力は90kW以上が望ましいと語るが、コジマ×ビックカメラ足立加平店のある足立区にはわずか4口しかないなど、現実は机上の空論となっている。テラチャージとコジマ×ビックカメラの取り組みは、EV普及に向けての大きな一歩であるといえるだろう。

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