週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

AIは漫画家の玉手箱なのか……

実録:AIで描く漫画の実際 ~AIで今風の手描きっぽい漫画を作ってみる

2024年05月29日 13時00分更新

文● 野火城 編集●ASCII

今回の全14Pの製作時間

 画風調整で試行錯誤したため、またかなり時間がかかっています。ネームを含めない、AIでの原稿製作時間だけで約5日ほどです。1日3Pくらいの計算ですね。結局前回と同じくらいでした。

 試行錯誤+カラーを含めてこれなので、次も同じフローで漫画を作ってくれと頼まれたなら、もっと早くできるでしょう。カラーを含めるのであればおそらく手描きより速く、クオリティも上げられます。最近のSDXLモデルは性能が上がっており、実用に耐えうる手応えがあります。

前回から認識がバージョンアップした事

・白黒漫画もいけない事はない
 と言っても小さいコマで線が細かくなり過ぎるなど、まだまだ課題は多いですが、AIで手描き風にしたい場合は白黒の方が処理がしやすかったです。手描き風にこだわらないならカラーの方が速いかもしれません。

・コントロールネットも場合によっては有用
 SDXLのコントロールネット開発が活発化しており、線画から影のみ作ってくれるなど、使用用途が広がってきています。自分も今回、線画に色を塗ったり、特定のポーズを作るのに使いました。

 特に漫画5P・2コマ目のチンチロリンの絵はDALL・E3でも出ず、いらすと屋さんを参考に下絵を描いてコントロールネットに入れ、何度も生成してなんとか形にしました。こういうAIが苦手な分野を生成する時、コントロールネットと下絵は必須ですね。

次回予告

 さて、今回の作業フローを踏襲すれば、次回はもっと速度を上げられるわけですが…これはあくまで「AI漫画実験」です。毎回同じ事をしても面白くありません。

 次はさらににハードルを上げて、「AIで少女漫画が作れるか」に挑戦します。

 今回のラストの展開から予想はできましたよね! 自分に少女漫画のネームが描けるのか謎ですが、そちらも頑張ります。

 次回もお楽しみに!!

野火城

 アナログ時代から漫画を描いてきたクリエイター。漫画の補助としてAIをどう使えるか実験中。X(Twitter)で生成AIを使用した漫画「AIずきん」を公開し、3万件を超える「いいね」が集まる。

AI昔ばなし」Kindle版発売中!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります