AIを活用した経費精算サービス「SAPPHIRE 経費精算」を展開するMiletos(ミレトス)は、2024年5月22日、SaaSのベンダーロックインに関する調査を披露する発表会を開催。また、これにあわせて他社SaaSからSAPPHIRE経費精算の移行を容易にする「SaaS Shift Support」を発表した。
ベンダーロックインはオンプレミスだけでなく、SaaSでも課題
Miletosは入力や承認、チェックなどの自動化を実現するAI経費精算ソリューション「SAPPHIRE 経費精算」を提供する。電帳法の改正、インボイス制度などの法対応要件などにも対応する。また、95%のマッチング率を謳う入金消し込み専門のAI SaaS「STREAM」もあわせて提供している。
今回Miletosが行なった「SaaSのベンダーロックインに関する調査 2024」はSaaSの導入や入れ替えに決裁権があったり、製品調査を担当する550人に聞いたもの。
まず利用しているSaaSに、何かしらの不満があると答えた人は75%に上る。SaaS元年とも言われる2018年から5年が経過し、コロナ禍を経て新しいSaaSが次々登場しているにも関わらず、我慢しながら利用しているという現状があるという。
また、利用中のSaaSを別製品に切り替えたいのに切り替えられない、いわゆるベンダーロックインの状況があると答えた人は69%に達した。オンプレミス時代でもベンダーロックインは大きな課題だったが、クラウドになってもこの状況は変わらないという指摘だ。
不満のあるSaaSとしては、経費精算SaaS(61.8%)、財務会計SaaS(40.6%)、人事SaaS(40.1%)などが挙げられた。同レポートでは、「不満を感じているユーザーが多い領域ほど、本来であればプロダクトの改善予知や競合他社によるビジネスチャンスがあるべきと考えるべき」とコメント。しかし、ベンダーロックインの発生により、プロダクト改善の必要性や競合参入の余地が失われており、ユーザーにとっても業界にとっても大きな品質であると指摘している。
ベンダーロックインの要因は移行コストと個社要件での作り込み
ベンダーロックインの要因は、移行にかかる作業負荷や期間、費用などを含めたコスト、個社要件での作り込みなど。当然ながら、新しいSaaSを導入するための担当者の心理的ハードル、トレーニングやカスタマイズの敷居の高さが移行を阻んでいるという。
一方、ベンダーロックインが解消されれば、切り替えを推進したいと考える人は97%に達した。「ベンダーロックインは満足していないユーザーに我慢を強いているとともに、プロダクトの価値によって行なわれるべき市場競争を抑制している」とレポートでは指摘している。
こうした現状に対してMiletosは他社SaaSからSAPPHIRE 経費精算への切り替えを容易にする「SaaS Shift Support」の機能を追加した。これは他社SaaSで利用していた承認階層、従業員情報、ワークフロー、内部既定、経費種別、勘定項目コード、経費入力フォームなどの設定を短期間で移行できる機能。個社要件で作り込まれている経費精算SaaSの移行を容易に行なえるようにすることで、ベンダーロックインの解消に努めていくという。
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