静音性で知られるbe quiet!から、デザインを一新したサイドフロー型CPUクーラーが登場
CPUクーラーや電源ユニット、PCケースを手がけるドイツのメーカー「be quiet!」(ビークワイエット)から、ツインタワー構成のサイドフロー型CPUクーラー「Dark Rock Elite」と「Dark Rock Pro 5」の国内発売が開始された。両製品とも、上級グレード「Dark Rock」シリーズのなかでもハイエンドモデルとして位置付けられている。
be quiet!といえば静かさで定評ある高級ブランドだ。それもDark Rockシリーズとなれば静音性だけでなく冷却性能をも追求した設計。しかも今回は外観でも変化がある。ヒートシンクに埋め込まれたヒートパイプがトップから飛び出す……質実剛健で無骨なデザインでおなじみだったが、トッププレートの採用により見た目が変わり、Dark Rock EliteにはRGB LEDも搭載している。クリアサイドパネルで“魅せるゲーミングPC”が流行するなか、be quiet!も見映えを重視したデザインを取り入れてきたといえる。
今回はこの2製品をCore i7-14700Kとの組み合わせで検証する。その静音性、冷却性能はどれほどか、2製品がどのように異なり、どのようなニーズに適しているのか探った。
対応TDPは最大280W、135mmのPWMファンを2基採用のDark Rock Elite
Dark Rock Eliteは135mmのPWMファンを2基採用。対応CPUソケットはLGA1150/1151/1155/1200/1700およびAM4/AM5で、対応TDPは最大280W。ヒートパイプは6mm径×7本。CPU接触面のサイズも45×40mmほどあり、LGA1700 CPUのヒートスプレッダよりも大きい。重量は1.34kgだ。
Dark Rockシリーズは、従来は性能重視/質実剛健なイメージだったが、今回の2モデルではトップカバーを採用することで無骨なヒートシンク上部を隠している。しかもDark Rock Eliteはトップカバー部にRGB LEDを搭載、流線型フレームの外側ファンを採用するなど、従来のイメージを一新するデザインとなっている。
Dark Rock Eliteのトップカバーはフレーム形状となっており、マグネット式で着脱が簡単だ。トップカバーを外した下にはファンの最大回転数を切り換えるスイッチがある。Performanceモード(Pモード)の回転数は最大2000rpm、Quietモード(Qモード)は最大1500rpmだ。
サイズは136(W)×145(D)×168(H)mm。大型CPUクーラーなのでATXマザーボードに搭載すると、フロント側ファンが一番外側のメモリースロット上にかぶさるサイズ感だ。スタンダードな形状のメモリーやヒートシンク付きメモリーでも高さを抑えた製品ならそのままでも利用できる。高さのあるヒートシンク付きメモリーの場合は、Dark Rock Eliteの外側ファンを上方へオフセットすることで対応する。ただしCPUクーラーの全高も高くなる点には注意したい。
中央ファンの着脱もツールフリーだ。フレームにファンが搭載されている形で、装着時はスッキリとした外観を、性能的には導風板の役割りもありそうで、着脱時は対ヒートシンクとのスライダー的な役割りも果たし、引っ掛かりが少なくスルッと抜き挿しできる。
ふたつの135mmファンはSilent Wingsシリーズのものを搭載。ブラシレスDCモータ(BLDC)の一種で、6つのコイル(ステーター)を用いているのが特徴の「6極モーター」を採用しており、これはエアポケットが小さいため効率がよく、振動も少ないという。
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