MSIもCOMPUTEX 2023で実際にデモ機を展示していた「PROJECT ZERO」。マザーボードの端子を基板裏に向けたらスッキリ・キレイじゃない? というコンセプトだ。この「PROJECT ZERO」が実際に製品となって登場した。
今回は、第一弾としてリリースされた「PROJECT ZERO」製品群の説明と、「PROJECT ZERO」を実際に組んでみるとどのようになるのか作例をご紹介したい。
「PROJECT ZERO」対応製品はマザーボード2モデル、ケース1モデル
MSIの「PROJECT ZERO」製品群は2024年4月から順次リリースされており、現在は2つのマザーボードと1つのPCケースが販売中だ。
B650M PROJECT ZERO
まずAMD AM5向けマザーボードの「B650M PROJECT ZERO」。チップセットはAMD B650、フォームファクタはmicroATXだ。
「PROJECT ZERO」のコンセプトをもっとも反映させたマザーボードと言えるかもしれない。コネクタを表面から排除しただけでなく、大きなヒートシンクを組み合わせて見た目も新しさを感じさせる。マザーボード下半分はほぼヒートシンクで、大きな「PROJECT ZERO」ロゴはインパクトがある。
ほぼすべてのコネクタ、ピンヘッダが裏面に移設されている。ATX24ピンやEPS12Vはもちろん、ファン用端子やUSB関連、フロントオーディオなど各種ピンヘッダも同様だ。従来の位置のまま裏面に移設された格好なのでとくに違和感はない。
拡張スロットはPCI Express 4.0 x16およびPCI Express 3.0 x1。ストレージはM.2が2スロット(どちらもPCI Express 4.0 x4のみでSATA非サポート)、Serial ATAが4ポート。拡張性についてはmicroATXのためか、拡張スロットについては少なく感じる。とはいえ、高性能ビデオカードを搭載する前提であれば、microATXでこれ以上あってもビデオカードで塞がってしまって使えないことのほうが多いだろう。
USBは充実していてUSB 2.0×6、USB 5Gbps×4、USB 10Gbps×3、USB 10Gbps Type-C×2、USB 20Gbps Type-C×1。ネットワークは2.5GbEおよびWi-Fi 6E。拡張スロットは少なくてもオンボード機能は充実しており、USBで代替することもできるだろう。
B760M PROJECT ZERO
次はIntel LGA1700向けマザーボードの「B760M PROJECT ZERO」。チップセットはIntel B760、フォームファクタはmicroATXだ。先の「B650M PROJECT ZERO」と合わせ、登場したての「PROJECT ZERO」だが、すでにAMD AM5とIntel LGA1700という2択が可能になっている。共通点としてはどちらもmicroATXという点だ。
「B760M PROJECT ZERO」は黒いPCBの露出が多め。トラディショナルなマザーボードだけどコネクタやピンヘッダは裏面に移っているという製品だ。そのため、コネクタやピンヘッダのハンダ付けが表面に見えている。また、上部VRMヒートシンクを見ると分かりやすいが、「PROJECT ZERO」用に再設計してはおらず、従来モデルのヒートシンクを流用しているようだ。
裏面の見た目は「B650M PROJECT ZERO」と同様、通常マザーボードで表面に実装されていたコネクタやピンヘッダが、その位置のまま裏面に移設された格好である。
拡張スロットに関しては3本。PCI Express 5.0 x16、PCI Express 3.0 x1、PCI Express 4.0 x4と、「B650M PROJECT ZERO」よりも充実している。M.2についてはPCI Express 4.0 x4対応の2スロットで、うち1スロットはSerial ATAのM.2 SSDにも対応。Serial ATA 3.0ポートについては4ポート搭載している。USBについてはUSB 2.0×8、USB 5Gbps×2、USB 10Gbps Type-A×3、USB 10Gbps Type-C×1、USB 20Gbps Type-C×1。ネットワークは2.5GbEおよびWi-Fi 6Eだ。
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