Lepton Hydro WSZ790をレビュー
高負荷時でも40dB未満、14900Kは91度でRTX 4080 SUPERは約56度!次世代WSの神バランス
PL2動作時でも40dB未満の静けさ
騒音・振動吸収シートの効果も見逃せない
PCの動作音についても少し触れておきたい。今回の検証は暗騒音35~36dB前後の部屋で実施しており、PCから距離約50cmの位置に騒音計を配置。各テスト時の騒音値を簡易的に計測している。
なお、試用機材にはBTOオプションの騒音・振動吸収シートが、両サイドパネルの内部に装着されている。そのため、標準構成よりもやや静かだと思われる点はご留意いただきたい。
まずアイドル時に関してだが、こちらは室内環境の音にまぎれて計測できなかった。近づけばPCの電源がついている(=内部でファンが回転している)ことはわかるが、意識しなければほとんど聞き取れない程度の音、という感覚だろうか。
CINEBENCH 2024実行時は、テスト開始直後のPL2動作時が最大38.5dB、PL1動作時が36.6dBと、静音そのもの。筆者の環境だと暗騒音とほぼ変わらないレベルなので、耳を澄まさないとファンの動作音に気付けないほどだ。
UL ProcyonやFFXIVベンチマーク実行時も同程度で、Cyberpunk 2077では最大39dBまで上昇したが、それでも40dBには届かなかった。40dBは一般的に「静かな住宅街や図書館」程度という騒音値だが、PCとしてはかなりの静音な部類だ。
デュアル水冷やNoctuaファン、絶妙なPL設定がこの静音性の根幹だが、騒音・振動吸収シートの恩恵もある。+2860円でこれほどの効果があるのであれば、検討するだけの価値はあるだろう。
まとめ:性能も安定動作も静音性も備えた欲張り次世代ワークステーション
以上の通り、Lepton Hydro WSZ790は強力なCPUとGPUをデュアル水冷システムでしっかり冷やせ、高い性能や安定動作、静音性を兼ね備えた優秀なワークステーションだ。サイコムの人気シリーズのストロングポイントを神がかったバランスで整えた、ハイブリッドハイエンドPCとも言える。
独自の水冷カスタムなど、PC自作では難しい構成である点も評価ポイントだ。同社の執念が生んだ次世代ワークステーションの1つの「解」と言ってもいい。PCケースのメンテナンス性も高く、長期間にわたって活躍してくれるだろう。
また、標準構成でも完成度は高いが、試用機材のようにCPUを最上位SKUに変更したり、騒音・振動吸収シートを追加してみるなど、カスタマイズを検討する余地はある。自分の用途や予算にマッチするようなら、ぜひ理想の1台を目指してカスタムしてほしい。
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