構造改革が進み、好調な決算
三菱電機が発表した2023年度連結業績は、売上高が前年比5.1%増の5兆2579億円、営業利益は25.2%増の3285億円となり、売上高、営業利益、当期純利益ともに過去最高を更新した。また、すべてのサブセグメントで営業黒字化している。構造改革が進み、好調な決算となっているのがわかる。
漆間社長CEOは、「FAシステムや空調家電事業での市況変動の影響などはあるが、自動車機器事業が大きく改善。価格転嫁効果の刈り取りなど、業績確保に向けた諸施策を確実に実行した成果があがっている」と総括する。
課題事業だった自動車機器事業がようやく黒字化し、2024年4月1日からは、三菱電機モビリティとして分社化。電動化およびADASについては、シナジーを見込めるパートナーとの協業を模索していくことなる。構造改革の手綱は緩めない姿勢をみせている。
また、2024年度連結業績見通しは、売上高が前年比0.8%増の5兆3000億円、営業利益は21.8%増の4000億円としており、売上高は微増だが、営業利益、当期純利益とともに過去最高値の更新を目指す。
「事業ポートフォリオ戦略と経営体質の強化を推進しながら、収益性、効率性を将来に渡って高め、効果のあるものに投資をし、成長投資を着実に実行していく」とする。
三菱電機は、2025年度に売上高5兆円超、営業利益率10%を計画している。すでに売上高は達成しているが、営業利益率の達成にはまだ距離がある。
営業利益率10%の達成は、「トレードオン」の実現を目指すサステナビリティ経営の成果と結びつくものになりそうだ。
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