Honda車の純正アクセサリーを手掛けるホンダアクセスが、2024年春にマイナーチェンジしたヴェゼル専用の18インチホイール「MS-050」(4万6838円/1本)を発売しました。これは単なるドレスアップパーツではありません。なんと、コンプリートカーブランド「Modulo X」のDNAを受け継いでいるというのです。ということで、クルマ大好きタレントの新 唯(あらた・ゆい)さんに試乗してもらいました。
Moduloの車種専用ホイールは足周りが変わる!
まずはModuloブランドのホイールの歴史から。誕生は1994年のこと。規制緩和によりクルマをドレスアップするという文化が一般化したことがきっかけなのだそう。そこでModuloブランドを立ち上げ、第1弾としてビガー(アコードの姉妹車)用の2ピースアルミホイールをリリースしました。
Moduloブランドのホイールが誕生して20年が経った2015年。ドレスアップ市場のホイールは成熟し、ドレスアップだけでなく、バネ下重量の軽量化などから走りの面でも有用であると広く認知されるようになりました。そして「鍛造」に代表される「軽くて硬いホイールこそが正義」という考えが一般化していきます。
その中でホンダアクセスは“アルミホイールもサスペンションの一部”という独自の思想を提唱。車体剛性に合わせた剛性のホイールとしてS660用にMR-R01を開発・成功すると、のちのModulo Xにも「車種専用品」を開発し、装着するようになりました。
MS-050はタイヤの性能を使い切る設計
ヴェゼル用の18インチホイール「MS-050」は、「ホイールをしならせることで、タイヤの接地面圧を高め、タイヤの性能を使い切る」という設計思想はそのままに、デザインを一新。ノウハウはすでに確立しているようで、それほど多くの試作を作らずに設計できたといいます。
ホイールの裏側をみると、肉抜きのような加工がなされているほか、実際に触るとリムとの接合面が薄いような気がしなくもありません。ですが、これだけでは正直走りが変わるとは思えません……。
「理屈は分かった。実際に何が変わるのか?」というわけで、純正ホイールと比較しましょう。今回は2台のヴェゼル(前期型)を用意。タイヤはミシュラン「プライマシー4」で、濡らした路面での30km/h程度の定常円旋回をはじめとして、様々テストしてみました。
タイヤを鳴らしながらドリフトしたり、100km/hからの急制動ということはしません。普段乗りと変わらないシチュエーションでのテストです。
MS-050を履いたヴェゼルはアウトに膨らまない!
まずは純正ホイールで走行。20~30km/hくらいでグルグル回ると、どんどん外側にクルマが膨らんでいってしまい、アクセルを緩めたりハンドルを深く切るといった動作が必要になりました。次にホイールだけを変えたヴェゼルに乗り換えたのですが……。
「全然違います!」と驚きの声をあげる唯さん。「あきらかにグリップ力があがっています。さっきは20km/hを超えたくらいでアウトに膨らんでいく感覚があったのですが、30km/hでも安定してグルグルできました」というではありませんか。「それに乗り心地も違います。細かな振動が減っていますし、段差を乗り越えた時も柔らかい感じがします」。
驚いたのは、タイヤからのロードノイズが減って車内の静粛性があがったこと。タイヤにキチンと仕事をさせるとロードノイズが減るのかは不明ですが、静かになったのは事実。この手のチューニングパーツは、大抵どこかが良くなると何かを失うのが常ですが、通常のシーンにおいて失っている部分がないのがすごい。このホイールを知ったら、もう普通のヴェゼルには戻れないレベルです。
「運転に自信がない人ほど、このホイールは向いていると思います。曲がりたいように曲がれるので運転に自信がつくんじゃないでしょうか」と唯さん。実におっしゃる通りです。ヴェゼルはこのホイールを履いて完成する、と言いたくなるほどのデキ栄えでした。
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