最近の比較的な低価格なスマートフォンでは、RAM(メモリー)の容量が違うモデルを用意している製品がある。シャオミ「Redmi 12 5G」、モトローラ「moto g52j 5G」などで、特にシャオミはメモリー/ストレージでスペック違いのモデルを以前から投入していた。そこで、低価格ながら最新プロセッサ搭載と充実仕様で人気となっているRedmi 12 5Gの4GBモデルと8GBモデルを両方買って比べてみた。
メモリーが大きいほど動作がスムーズなのはPCと基本同じ
PCの世界では昔からメモリー容量の違いはユーザーが気にしてきた。特にWindowsが仮想メモリーを使うようになってからは、動作の安定度や速度にも大きな違いが生じている。以前は、Windows PCを買ったら、すぐメモリーを増設することが当たり前な時代もあった。
スマートフォンでもGUIのOSがあり、いろいろなアプリを入れて使う点ではPCと大きく変わらない。であれば、メモリー容量は大きいほど動作がスムーズになるのは自然なことだ。プロセッサの処理能力とは別のスムーズさが、メモリー容量の違いで得られるのだ。
筆者はRedmi 12 5Gの登場時にまず4GBモデルを購入するも、直後に8GBモデルが登場したので少し後悔していた。3月に入ってRedmi 12 5GがAndroid 14にアップデートされたことを知り、8GBモデルがどれだけ違うか買って比べてみようと思ったのだ。
アプリ切り替えなどのタイミングで速度差を感じることはある
4GBモデルはキャリアと関係がない単体販売で購入したが、8GBモデルはmineoへの加入で安く買えるプログラムを利用した。mineo販売分とはいえ、mineoのマークが本体に刻まれていたり、専用アプリがプリインストールされているわけでもなく、単体販売モデルとの違いは特に無いようだ。
そして使い始めてみたのだが、4GBモデルと8GBモデルの違いはすぐには感じられなかった。最近のスマートフォンのアプリはクラウドのデータと連携していることが多く、メモリー容量よりも回線の違いによるデータ伝送のスムーズさの方が動作に大きな影響を与えている。
ところが、何日も使い込んでくると差が出てきた。たとえば筆者は利用環境を統一するためホームアプリに「Microsoft Launcher」を使っているが、4GBモデルにインストールしてしばらく使っていると、アプリの切り替え時に数秒ほど固まったようになることが増えた。そこで、Microsoft Launcherの利用を中止したこともあった。
その点、8GBモデルではMicrosoft Launcherを入れてもそのようなことは起きなかった。その違いの原因を正確に把握したわけではないが、複数アプリを動かしている場合、4GBモデルでは物理的なメモリーを使い切ってストレージエリアの一部を使う「メモリ拡張」の領域に入ってしまい、動作が遅くなっている可能性は高い。
HDDと違って高速な半導体のストレージではあるが、本物のメモリーとはアクセス速度が大幅に違うからだ。8GBモデルならメモリーに余裕があるため、速度低下がないと考えると辻褄が合う。
なお、4GBモデルもAndroid 14に更新してからはMicrosoft Launcherを使っても動作が安定し、以前よりはスムーズに動作はするようになっている。それでも、8GBモデルのようなスムーズさはない。
それ以外では、アプリの起動やウェブブラウザを使って複雑なレイアウトのページを表示などを試してみたが、4GBモデルと8GBモデルの違いはほとんど感じられなかった。つまり「Microsoft Launcher」のような重いアプリを同時に使わなければ、あまり問題ないという結論になった。
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