ファッションのBEAMSとAKRacingがコラボ
本来は交わることがなさそうな企業やブランドがコラボレーションをするニュースをたびたび見ることがある。そういった場合、筆者は割とワクワクしてしまうことが多い。
今回紹介するAKRacingのゲーミングチェアはなんとセレクトショップとして圧倒的な知名度を誇る「BEAMS」とのコラボを果たした「AKRacing by BEAMS DESIGN」だ。もう名前からしてオシャレ感がスゴイ強そうである。
一見ゲーミングチェアに見えないほど超カジュアルに!
ゲーミングチェアといえば、“いかにも”なカラーバリエーションでデザインされた製品を思い浮かべるだろう。実際にレッド、イエロー、グリーンなど、ややギラついた原色ベースのモノが市場のほとんどを占めている。
もちろん中にはAKRacingの本田 翼モデルをはじめとした、落ち着いた色合いのものも存在するのだが、こちらは圧倒的少数派だ。ゲーミングと名がついてしまう製品のサガといったところか。
では、AKRacing by BEAMS DESIGNはどうかというと、アメカジの定番であるカレッジスウェットを前面に押し出したデザインで、既存のゲーミングチェアとは一線を画すデザインの製品となっている。
ヘッドレストの形状が首にフィットして気持ちイイ
とににもかくにも実際に触れてみないとってことで、実際に座面や背もたれを押し込むように触ってみると、最初に得られる感触がまさにスウェット生地特有の柔らかさ。そのあと内部に使用されているウレタンフォームのクッションがほどよい抵抗感を持ち、かなり心地良い。
いざ座ってみると座面はもちろん、背もたれから得られるフィーリングは抜群で、いままでのゲーミングチェアとは異なる快適さ、座り心地を得られた。うん、これかなり気持ちいい。
続いて注目すべきはヘッドレスト。このヘッドレストは首への負担を軽減するためのクッションなのだが、これまでのAKRacingの製品で採用されていたものとは、形状が大きく異なる。
これまでのヘッドレストは横長で、やや太めのデザインだったのが、AKRacing by BEAMS DESIGNでは、厚みを抑えたぶんだけ縦方向に高さが増しており、首全体を包むようにサポートするような形状に。
このヘッドレストが薄くなったことで、チェアの背面と首の高低差のギャップが小さくなったのだが、その恩恵として背中をよりベタ付けできるようになっている。
実は筆者はこれが一番の衝撃で、これまでヘッドレストは太くてギャップが生じるのは当たり前、首が前にちょっとせり出すように感じても、そういうものだと思っていたのだが、そういった感じは一切ない。かなり心地良く使える。
カンガルーポケットやネームタグなど
BEAMSらしいデザインが満載
そして面白いのが背面側。こちらは完全にスウェットの前面といった印象で、カンガルーポケットまで取り付けられている。実際に何に使うのかというのは難しいところだが、ちょっとしたメモ書きを挟んでおいたり……なんてのも良さそうだ。重量のあるものを入れていると生地がダルダルになりそうなので、軽いもの限定といったところだろうか。
そしてゲーミングチェアにはまず見られない、ネームタグがあるのも面白い。スウェットなら首のところにタグがあるのは当然だが、本製品ではヘッドレストやランバーサポートの裏側にタグが取り付けられている。タグのデザインもコラボレーションモデルだということがわかるオリジナルで面白い。
座り心地は快適で、長時間でも問題なし
なんだかんだ言っても、ゲーミングチェアは座ってこそのもの。ということで、1週間ほど実際に使ってみた感想も述べておこう。
筆者はパソコンの前に長時間座りっぱなしで作業をしていることが、一日の大半を占めるような生活なのだが、座っていて体に変に負担が感じられるようなこともなく、快適に過ごすことができた。
元々好評だったAKRacingのウレタンフォームに加えて、スウェット生地を利用することで合皮のものと比べても座り心地が良かったのもポイント。
大事なことなので何度も言うが、本製品のヘッドレストは本当に使い心地が良い。これはリクライニング機能で背もたれをガッツリと倒した時にも強く感じられ、左右からの自然な挟み込みはもちろん、厚みがあまりないために首が変に持ち上げられるような感覚もなく、自然に体を伸ばすことが可能だ。というか、正直この形状を標準搭載にするか、別途販売してほしいレベル。
ちなみにAKRacingのサイトには本製品に合わせた「AKRacing オットマン スウェットモデル」という足置き(オットマン)も紹介されている。もし本製品を購入するのであれば、こちらも合わせて利用してみるのもアリだろう。
ゲーミングチェアで気になりやすいキャスターの使用感はどうかというと、筆者の居住環境で言えばあまり音が響かなかった。少なくともフローリングの上では多少キャスターの回転・摩擦音こそするのだが、隣室にガッツリと響くようなガラガラ音ではない。それでも気になるという場合は、OAデスクに合わせた布製のチェアマットなどを利用するのも手だ。
【まとめ】高価な理由が座った瞬間にわかる
気になるお値段は約6万9800円と、AKRacingの製品の中では高額な部類に入る。筆者個人としてはこの価格だとおいそれとオススメできる金額ではないのだが、利用してみた印象としては「この快適さならそれくらいするよね」という感じ。やはり、良いモノには理由があるのだ。
筆者がもし椅子の買い替えを検討していて家計に余裕があるのであれば、本製品は筆頭候補となるだろう。
本製品の購入を検討しているのであれば、利用するうえで気をつけなければならない点として、生地がスウェットであることだ。ジュースやコーヒーをこぼしたらシミになるおそれがあるので、着座しての飲食は極力避けたい。
そのほか夏場は汗が染み込まないようにしたり、割と細かい配慮が必要な点があるが、それだけの価値あるゲーミングチェアだということは、自信を持って断言できる。
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