タイフードで有名なヤマモリ。その黎明期の話をお聞きした!
タイには「タイカレー」は存在しない…! 発売25年目のヤマモリ「グリーンカレー」の苦難
苦節を乗り越えてようやく跳ねたタイカレー
弓矢さん:2000年4月にタイカレーシリーズが晴れて販売開始となりましたが、スタートしてからも売上げは芳しいものではなかったです。我々として多くのお客さんにタイカレーの味を知ってもらおうと、試食なども行いましたが、初めての方には「こんなの食べられない」とお声をいただいたり、それはもう……。
ナベコ:タイカレーをそれまで食べたことないと、びっくりしちゃうかもしれないですね。
弓矢さん:それでも、タイカレーの販売強化の方針はゆるめず、2004年にはタイカレーをはじめタイフードの製造を目的とした自社工場をタイに建設しました。タイのハーブやスパイスを安心安全で衛生的に加工し、生産を広げるためには自社工場が不可欠でしたから。
ナベコ:売上が伸びないまま! 大丈夫だったんですか?
弓矢さん:そうですね……。当初、工場の稼働率が低かったので、現地のスタッフに様子を尋ねたところ、従業員の手があまって工場内を清掃しているという話をききました。
ナベコ:うおお、焦りますね。でも、今はヤマモリさんのタイカレーって人気ですよね。私自身、普通のスーパーでよく見かけるので買っています。ヒットするきっかけってあったんですか?
弓矢さん:マーケティング専門誌の「日経プラス1」に取り上げられたのが大きかったです。「夏に食べたいぜいたくレトルトカレー」というのがあって、2010年に1位に選ばれました。これをきっかけに問い合わせが殺到しまして。2000年に発売してからおよそ10年、じわじわと成長してきたタイカレーの売れ行きが、急激に加速しました。
ナベコ:よかったです! ほんとに!!
弓矢さん:タイカレーが売れなかったから、タイの工場でタイフードではなく釜めしを作っていたかもしれませんからね。タイフードを挫折しなくてよかった。当時の社長がタイフードの事業を推進しようと言った時、社内では反対もあったそうですが(笑)、後になってみると先見の明でした。
ナベコ:反対があったんですね(笑)。まだ世に知られていないジャンルを展開するとなると慎重になりますから。きっかけがあったにせよ、他にはない味でクセになる、商品自体の魅力がヒットの秘訣ですね。
弓矢さん:そう言ってもらえるとうれしいです。最初食べるとびっくりするけど、次第に慣れて、おっしゃるようにクセになる性質があります。
ナベコ:日本でも徐々にタイのグルメが馴染んできたんでしょうね。タイカレーは他社さんの商品でもみかけるし、ファミレスでも「ガパオ」とかタイをテーマにしたメニューは珍しくなくなりました。
弓矢さん:そのような流れはあると思います。その中でも、ヤマモリが“本格的なタイの味”というイメージ付られたことは大きかったかと。スタート当時からの「タイの現地の味を日本へ」「万人受けしなくても、本当においしいものを」という理念が実を結んだものと思います。
ナベコ:そんなヤマモリさんが、今年新しいカレーを出したとか。どんな味か気になります。
弓矢さん:ふふふ、自信作ですよ!
苦節をのりこえて今に至るヤマモリ。25年目となる今年、新作レトルトカレー「ゲーンパー」を発売。はたして、その味とは?
後半に続く!→[え「タイカレー」ってこんなにあるの!? 「グリーンカレー」で有名なヤマモリの新作にびっくり]
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