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ファンが一体となって応援! ソフトバンク、PayPayドームのスマートスタジアム化に向けた実証実験実施

2024年04月09日 12時00分更新

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 ソフトバンクは4月3~4日に、福岡PayPayドームにて同施設のスマートスタジアム化に向けた実証実験を実施した。その両日は、福岡ソフトバンクホークスのホーム開幕戦が開催されており、少人数の実験参加者が実際に観戦しながら体験する形で行なわれた。

 主な実験は2つ。「マルチセンサーを活用するARナビゲーション」と「マルチネットワークを活用するリアルタイムAR演出」だ。これらの実証実験の概要について、4月8日にオンラインでメディア向けに説明と質疑応答の時間が設けられた。

VPSとBLEを組み合わせたARナビゲーションを検証

 球場やアリーナなどの屋内施設では、GPSによる正確な測位が難しく、似たような景観が続くため、VPS(Visual Positioning System)による測位の精度も低くなる。そこで今回は、VPSとBLE(Bluetooth Low Energy)を組み合わせて使うことで、速やかに精度の高い位置情報を測定できるか否かが実験された。

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一般的にユーザーの位置情報はVPSとGPSで特定される

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しかし、球場内では似たような景観が多く、VPSでの正確な位置測定が難しい

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VPSとBLEを組み合わせて「マルチセンサー」によって課題の解決を目指した

 あらかじめARアプリをインストールしたスマホと接続されたARグラス「XREAL Light」を実験参加者に貸与。参加者は球場に入ってからARを装着し、ARグラスに観客席までのナビゲーションが表示される仕組み。

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ARナビゲーションの流れ

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ARグラスがパネルを認識すると、ソフトバンクホークスの球団マスコット、ハリーホークがARで登場。まずは、ハリーとハイタッチ

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続いて、自分の席へのナビゲーションが始まる。実証実験では、スーパーボックス(いわゆるVIP席)へのナビが行われた

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実証実験では、3ヵ所にBLEビーコンが設置されたという

 なお、VPSでの測定の精度を高める方法として、施設内に位置を特定する目印を設置するという方法もある。しかし、ソフトバンク サービス企画本部 コンテンツ推進統括部プロダクト開発部 部長の大塚哲治氏によると「空間デザインを損なわないために、マルチセンサーの活用が有効」とのことだ。

マルチネットワークを活用したリアルタイムAR演出を実現

 もう1つは、野球観戦をより楽しむための実験だ。観客が持つスマホなどのデバイスにリアルタイムで応援コンテンツを表示させようとする場合、4G/5Gネットワークのみで信号を発信すると、デバイスの数によってはネットワークが混雑し、信号を受け取れないデバイスが生じるという課題がある。

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モバイルネットワークで多くのデバイスに同時に信号を送ると、ネットワーク飽和のため、信号を受信できなかったり、遅れたりするデバイスが生じる

 今回の実証実験では、4G/5GとBLEを組み合わせることで、複数のデバイスで同時に信号を受信できるか否かが実験された。具体的には、ARグラスを装着した参加者に、試合の5回裏終了後のタイミングでAR演出が通知され、一斉に盛り上がることができたという。

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BLEを併用して、ネットワークを二重化することで、リアルタイムのAR演出を実現できるか否かを実験

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今回の実証実験では、観客席にBLEビーコンを2基設置したそうだが、実際には1基で十分とのこと

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ARグラスを装着した観客が、同時に盛り上がれる趣向だ

好きな選手をARで応援できる取り組みも

 実証実験の両日には、ARグラスを用いて、選手に向けて手書きのメッセージを送信したり、応援ボールを投げたりするコンテンツも実験された。現時点では、参加者が個人で体験できるシンプルな仕様だが、入力されたメッセージを観客で共有したり、実際に選手に伝えたりする仕組みも検討されている。

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ARで表示される画面に手書きでメッセージを入力して、空間に飛ばす実験も行なわれた

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応援したい選手のボールを選んで投げると、メッセージが表示されるというコンテンツも

 ソフトバンクの大塚哲治氏によると、今回の実証実験は「技術検証であり、具体的な計画はこれから」とのこと。PayPayドームに行く楽しみが増える技術研究が進められ、今後、それらを活用するコンテンツの開発も進められるようだ。楽しみに待とう。

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PayPayドームでは、スマートスタジアム化に向けて、すでにさまざまな取り組みが行なわれている

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