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空間伝送での充電を実現! ソフトバンク「ワイヤレス電力伝送ラボ」をお披露目

2024年04月01日 16時00分更新

ソフトバンク

 ソフトバンクは3月27日、ワイヤレス電力伝送(Wireless Power Transfer、以下「WPT」)の技術を商用環境で検証できる施設「ワイヤレス電力伝送ラボ」(以下「WPTラボ」)の見学会をメディア向けに開催しました。

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東京・江東区のテレコムセンタービル内に開設された「ワイヤレス電力伝送ラボ」。どこにもであるオフィスの会議室という印象

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ソフトバンク 基盤技術研究室の長谷川直輝氏がプレゼンテーションをした

◆WPTラボは2024年度中に一般公開予定

 WPTラボは、2023年12月に東京・江東区のテレコムセンタービル内に設営された施設。まずは、ソフトバンクおよびパートナー企業が開発中の装置やシステムの検証に活用し、2024年度中を目処に、さまざまな企業や団体が気軽に活用できるオープンラボとしての運用を開始される予定です。

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WPTラボの一般公開に向けたスケジュール

 WPTには3つの方式があり、ソフトバンクが現在研究を進めているのが「空間伝送型」という方式。この方式では3つの周波数の利用が想定されていますが、WPTラボでは920MHz帯を使用。天井に複数の送電アンテナがされていて、対応デバイスでの受電を検証できる環境が整えられています。

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左の「電磁誘導型」は、スマホの充電などに用いられる「Qi」。中央の「共鳴型」はEVなど比較的大きなものへの給電が想定されている

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WPTは2022年5月に制度化されて、商用利用が可能になった。3つの周波数が使えるが、それぞれ満たすべき要件があり、人がいる場所でも伝送できるなど、比較的要件が少ない920MHzでの検証が進められている

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現在、全国の11ヵ所にWPT局があり、ソフトバンクの施設には、WPTラボを含めて3つWPT局がある

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WPTラボの概要

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WPTラボ内はこんな感じ

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天井には5つのアンテナを確認できた

◆完全ワイヤレスでの受電を体験できる

 現在は、ソフトバンクとパナソニックホールディングスが共同で開発した、ストラップ型受電装置と温湿度センサーでの検証が進められています。ストラップの部分がアンテナで、受信した電波がRF回路を経由して電源回路に給電される仕組み。見学会では、バッテリーレスで温湿度データが取得するデモンストレーションを披露していました。

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WPTラボでの検証事例

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検証用に置かれていたデバイス

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長いアンテナを搭載し、受電すると光るデバイス

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下がストラップ型の受電装置と温湿度センサー

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ストラップの内側にアンテナが仕込まれている

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受電状況や温湿度センサーの計測値を大型ディスプレイで確認できる

 920MHzでは、トラッキングデバイス、スマートタグ、電子棚札、各種センサーなどが給電の対象になるとのこと。WPTにはトラッキングデバイス「Tile」に電源回路を組み込んだ試作品も置かれていました。CR2032のような一般的なボタン電池で動くデバイスも検証に用いることができるそうで、アップルのAirTagでの実験も予定しているとのこと。商用モデルでは、二次的なバッテリーを搭載し、ワイヤレスで充電することも想定しているそうです。

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落とし物トラッカーの「Tile」でも検証されていた

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ボタン電池型の電極から電源を共有することもでき、既存のデバイスでも検証可能

 920MHzのワイヤレス給電は、アンテナから10m程度の範囲に送電でき、その範囲内であれば、複数台を同時に充電できるとのこと。スマートフォンやスマートウォッチへの充電は難しく、ソフトバンクの長谷川氏によると「ワイヤレスイヤホンがぎりぎりのライン」だそうです。

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初期段階では、ICタグやセンサーへの給電が想定されている

◆ソフトバンクがWPTに注力する狙いは
新しいプラットフォーム構築をするため

 将来的にWPTが普及すると、勝手に充電されないための仕組みが必要になります。あらかじめ登録したデバイスだけが受電できたり、受電の量に応じて課金したり、携帯電話と同じようなプラットフォームを構築する必要が生じます。ソフトバンクがWPTに注力する狙いはそこにあるようです。

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ソフトバンクはWPTを制御・管理するプラットフォームの構築を目指している

 ケータイの電波と同じように、電気を受信できる日が近づいているようです。

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