トヨタ技術会とポケモンは、「トヨタミライドンプロジェクト」を始動。3月14日に東京ミッドタウン日比谷アトリウムにて、2022年11月に発売した「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」に登場するミライドンを模した“TOYOTA Engineering Society MIRAIDON”をお披露目しました。
トヨタ技術会は、技術の研鑽に勤しむメンバーで構成された有志団体。70余年の歴史があり、1年の任期で任命された20名のメンバーを中心に、約3万人の会員が自己啓発活動をしています。毎年、豊田市とトヨタ技術会との合同イベント「わくわくワールド」でその年のものづくり企画の成果物を展示しているのです。
トヨタミライドンプロジェクトを始動するきっかけは、トヨタ技術会の2023年度のテーマ「ミライモビリティ」について、豊田市の小学生から集まった8000枚のアンケートを参考にしながら検討していたところ、「ミライドン」のイラストがいくつかあったから。
ミライドンは、2022年に発売の「ポケットモンスター バイオレット」に登場する伝説のポケモン。4足歩行(リミテッドモード)や2輪のバイクのような形(ドライブモード)になり、主人公を乗せてさまざまな場所へ移動できるのが特徴です。設定では、高さは3.5m、重さは240kg、ハドロンエンジンを搭載しています。
トヨタ技術会は「多くの子供たちがミライドンのような、友達のように意思疎通ができ、かつ背中に乗って楽しく移動できる事を望んでいる」と感じ、プロジェクトをスタート。300名のスタッフが約半年かけて、ほぼ実物大の動くミライドンを制作。またポケモンも監修という形で参加しました。
劇中のミライドン同様、TOYOTA Engineering Society MIRAIDONは、「4足モード」とバイクのような「ドライブモード」に変形可能。ドライブモードでは、実際に人を乗せて歩行とほぼ同等の速度で動くことも可能(耐荷重は65kgまで)。
お披露目会では4足モードで、実際に歩行。約3分かけて1m近い距離の歩行に成功しました。ちなみにコントロールパッドはNintendo Switchを使用。「パソコンでは夢がないですからね」(担当者)と笑顔で理由を語りました。
東京ミッドタウン日比谷の1階にあるアトリウムで行なわれたことから、多くの通行人がスマホでパチリ。通行人に話を聞くと「これ、トヨタが作ったの?」と驚いた表情。実際に動くことを知ると「スゴイ!」と言葉を失なっていました。
豊田章男会長からはコメントを貰っていないそうで「ひょっとしたら、ご存じないかもしれない」(担当者)とのことですが、佐藤恒治社長からは「これはすごい」という言葉をいただいたとのこと。
そんなTOYOTA Engineering Society MIRAIDONですが、今後については未定なのだとか。今回の発表の反応をみて、これからの方針を決めていくそうです。せっかく作ったのですから、もっと早く歩けるようにするといった技術的探究とともに、全国を巡って子供たちに夢を与えてほしいと感じました。
(C)Pokemon.(C)Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
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