週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

KDDI、生成AIの領域でAI研究の第1人者が立ち上げたELYZAとパートナーシップを締結

2024年03月18日 17時00分更新

 少子高齢化による人手不足が加速する中、生産性向上は喫緊の課題となっており、事業環境の変化に対しデジタル技術を活用したビジネスモデルの変革が求められている昨今。

 生成AI活用による業務効率化や生産性向上の実現が期待される一方で、グローバルモデルの利用だけでは、本格的な課題解決に至らないケースも出てきており、日本語に最適化した汎用LLM(Large Language Models、大規模言語モデル)や、業界や領域さらには個社に特化・カスタマイズしたLLMによる課題の解決が求められている。

グローバルモデルに匹敵する
日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供

 そんな課題のをすべく、東京大学松尾研究室発、LLMの社会実装を進めるELYZA(イライザ)とKDDI、KDDI Digital Divergence Holdingsの3社は今日18日、資本業務提携を締結した。

 4月1日を目途に、KDDIは43.4%、KDDI Digital Divergenceは10.0%のELYZAの株式を保有し、ELYZAはKDDIの連結子会社になる。ELYZAはKDDIグループの支援を受けながら、将来的なスイングバイIPOを目指す。なお、スイングバイとは、スタートアップが大企業のサポートを得て成長し上場を目指すことを指す。

 ELYZAは、AI研究の第1人者である東京大学・松尾豊教授の研究室のメンバーが立ち上げたAI企業で、国内においてLLMの研究開発および社会実装を牽引する存在とのこと。今年3月12日には、日本語の性能がグローバルモデルに匹敵する、国内最高水準の700億パラメータのLLMを開発した。

 本提携により3社は、ELYZAの持つ国内トップクラスのLLMの研究開発力とKDDIグループの計算基盤、ネットワーク資源などのアセットを組み合わせ、生成AIの社会実装を加速させるとしている。また、生成AIの利用や社会実装を加速するための人財組織を共同で設置し、今春から順次、生成AI関連のサービス提供を企業や自治体向けに進めていく予定だ。

 具体的なサービスとしては、オープンモデル活用型の日本語汎用LLM開発、領域特化型のLLM開発、生成AIを活用したDX支援・AI SaaSの提供の3つを協業していく。

 領域特化型のLLMは、KDDIの関連会社でありデジタルBPO事業を展開するアルティウスリンクと連携し、コンタクトセンター特化型LLM開発・実装も視野に入れ、企業・自治体のコンタクトセンターのお客さま対応業務のDXを推進。今後、さらに金融・小売をはじめとしたほかの特定領域においても順次サービスを展開するとしている。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります