仕事で使えるビジネス版LINEである「LINE WORKS」の連載では、アカウント作成の基本からビジネスシーンでの活用術、便利なTipsなどを紹介していく予定。第131回は、BCP策定にLINE WORKSのアンケートと掲示板を使っ対応する方法について紹介する。自然災害の多い昨今、介護事業者に限らず、ぜひ参考にしてほしい。
BCP策定が義務化されるも二の足を踏んでいる人が多い
2024年4月から、介護事業者に対するBCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)の策定が義務化される。自然災害や疫病の流行など、予期せぬ事態が発生した際にも、介護サービスの提供を継続できるようにするためだ。高齢者は災害や疫病の影響を受けやすく、彼らの生活を支える介護サービスは社会的にとても重要な役割となっているのだ。
LINE WORKSが2月に発表した「介護/医療/福祉従事者900名を対象にBCP(事業継続計画)策定状況およびITツール導入に関する調査」の結果によると、BCP対策済みと回答した介護職従事者は36%。BCP策定対応済みもしくは対応中と回答した方のうち、BCP対策のためのITツールは「検討はしたが導入していない」がいずれの業種でも4割を超え、最多となった。
どう対応していいのかわからなかったり、対応にかかる費用が対応にかかるなるケースがもあるようだ。ネットで検索すれば、いざというときに備える安否確認サービスがいくつも見つかるものの、全従業員分のアカウントを用意するとランニングコストが高くついてしまい、導入に踏み切れない経営者も多そうだ。また、新たなITツールを導入すると、いざという時に使えるように全従業員に使い方を学んでもらう必要もある。この手間とコストも負担になるだろう。
そこでお勧めなのがLINE WORKS。工夫すればBCPの安否確認ツールとしても活用できるのだ。従業員数が少なければ、全員が参加しているトークルームで責任者などが「かなり激しく揺れましたが、みなさん無事ですか? 反応してください!」と送信し、メンバーは「無事です!」などと返信するだけでも意味がある。現場の写真や動画を投稿してもらって、状況を共有することも可能。手軽に短時間で状況を把握できるのだ。
従業員数が多いならアンケートで安否確認! 自動集計なので手間もかからない
従業員数が多いと、トークルームで全員に発言してもらうのは現実的ではない。安否確認は「誰が無事で、誰が回答していない(あるいは回答できない状況)か」が重要だが、大人数のトークを1つずつチェックして集計するのはかなり手間がかかり、いざという時は特に、時間をかけて作業していられないからだ。そこで上手に活用して欲しいのが「アンケート」機能だ。
安否確認や出勤の可否などのアンケートを送り、全員に回答してもらえばいい。回答結果は自動的に集計されるうえ、アンケートに答えてほしいメンバーを選択しておけば、回答していないメンバーを一覧で確認できる。
なお、アンケートは一方通行の情報伝達となるので、個別の指示だしなどはトークルームで送信する必要がある。
必読設定にした掲示板に投稿し情報を伝達することもできる
BCP対策は安否確認だけにとどまらない。出勤できるのかどうかを確認したり、人手が不足しそうなところに人員を回したりする必要がある。台風や大雪などの事前に予想される災害の場合に出社/退社の指示をすることもあるだろう。そんな時は、「掲示板」を活用しよう。全社員に対して指示を出せるうえ、未読の人に再通知することもできるので、迅速な情報共有が行える。
急いで見て欲しい情報なら、掲示板作成時に「…」メニューから「必読に表示」をタップし、必読設定にしておくといい。タイトルに「必読」を表示し、投稿一覧の上部に表示されるので目立たせられる。
「既読」をタップすると既読メンバーを確認できる。「未読」タブを開き、右上の「再通知」をすると未読メンバーに再度通知を送ることができる。リマインダー代わりに利用しよう。
LINE WORKSを活用すれば、安否確認やいざという時の情報伝達が手軽に行える。誰でも使えるので、ツールの操作方法などをレクチャーする必要もない。BCP対策を一気に完璧に行おうとすると、動きが遅くなってしまう。まずは、できるところから手を付けていくことをお勧めする。
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