紙は勉強しやすいが重い。デジタルは便利だが遊んでしまう!?
板書は撮影、スクショがメモ代わり。中高生の勉強法は理想の紙×デジタル使い分けかも
私物のデジタル端末の学習利用は当たり前
GIGAスクール構想などを通して勉強に使うデバイス・教材の種類も増えたが、中高生は学習においてデジタルと紙をどのように使い分けているのだろうか。Studyplusトレンド研究所の「勉強時の『デジタル』と『紙』の使い分けに関するアンケート調査」(2023年8月)を見てみよう。
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スマートフォン・タブレット・PCなど、私物のデジタル端末を使った学習状況を聞いたところ、中学3年生以降で高い割合となり、特に高校生では9割以上に。スマホと言えば娯楽寄りのものと思われがちだが、学習でスマートフォン・タブレット・PCを使用することは、もはや当たり前なのだ。
記述は紙、移動時はデジタル端末活用
紙とデジタルの使用比率を確認すると、教材の閲覧時にはデジタル端末・紙を併用し、記述時は紙の使用が主流となり、移動時にデジタル端末の活用が増えた。
紙教材とデジタル教材のメリット、デメリットについても聞いている。紙教材は、「メモを取りやすい」「間違っている箇所などに気づきやすい」「暗記しやすい」など、勉強自体の進めやすさがメリットになっている。
一方デメリットは、「重くて持ち運ぶのが大変」が最多であり、「場所を選ぶため、気軽に勉強しづらい」「移動中に見づらい」といった物理的なハードルが上位となった。
デジタル教材のメリットは「動画や音声で理解しやすい」が最多であり、「移動中に見やすい」「場所を問わずに勉強しやすい」「重くないから持ち運びやすい」なども。デメリットは、「学習と関係のないことをしてしまう」「目が疲れる」「充電が面倒」といった、デジタルならではの特性が反映された結果となった。
中高生は紙とデジタルの特性をよく理解しており、学習時もうまく使い分けているというわけだ。
写真・スクショでの保存も日常的に利用
デジタル教材を使用する際に、付箋やメモのように印を付けたくなったときどうするか聞いたところ、最も多かったのは「端末のメモ機能」であり、「紙のノートに書き込む」もほぼ同数だった。そのほか、スクリーンショットや教材内の機能を活用するなど、状況に応じて使い分けている。
板書を写真保存するか聞いたところ、「保存することがある」が半数以上という結果に。2割は「ルールで禁止されている」だった。紙のノート・参考書は、約7割が「(写真)保存することがある」となっており、残したいものを写真に撮って保存することはかなり一般的のようだ。
また、デジタル端末でのスクリーンショットは「毎日使う」「たまに使う」「使ったことがある」の割合が、合計9割以上となった。主に、「気になったサイトやページの保存」「オンライン授業時に画面共有されたスライド資料や板書」などのタイミングでスクショしているようだ。
今の中高生はデジタルネイティブ世代。学習にスマホを活用するのも当たり前であり、学習シーンや学習内容によって紙とデジタルを使い分けている。写真撮影やスクショなどもうまく取り入れ、効率的に学習できているようだ。大人世代も真似できるとこころはぜひ取り入れてみてはいかがだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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