日本郵便は3月4日、ドローンによる配送実用化に向けて、兵庫県豊岡市にてドローンによる荷物などの配送試行を開始した。
本試行は、ACSLが新たに開発した物流専用の新型ドローン(JP2)を用い、郵便局から配送先地区の受取人宅の近隣施設まで、補助者なし目視外飛行(レベル3.5)により実施するもの。実証期間は3月22日まで。
運行区間は兵庫県豊岡市但東町の出石郵便局配達区内。ドローンは出石郵便局より出発し、配送先である片道11km(およそ19分)の唐川公民館、または片道8km(およそ16分)の高齢者生活支援センター きずなまで自動操縦により飛行する。
郵便局敷地内で配送物をドローンに搭載し、郵便局敷地内の遠隔監視・操作拠点から離陸を指示。あらかじめ設定した経路に沿って配送先エリアに向け自動飛行し、着陸地点に自動着陸し配達した後、郵便局に帰還する。
レベル3.5飛行では、従来のレベル3で必要とされる立入管理措置(補助者・看板の配置)がデジタル技術の活用により撤廃となり、道路や鉄道等の上空を横断が条件付きで可能となった。
JP2は、物流オペレーションを考慮した荷物の搭載等の簡便性や、社会受容性を意識したデザインを重視しつつ、「レベル4」のための型式・機体認証取得を想定した設計・仕様。最高速度は秒速10m(時速36km)、最大離陸重量24.9㎏、最大積載量4.5㎏。地上局PC画面で常時遠隔監視し、緊急時等には遠隔から操作介入が可能。
既存の機体よりもペイロード(搭載可能な荷物の重量)が増加した機体を活用することで、中山間地域でのドローン配送の実用化がより進むことが期待されている。
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