MWC Barcelona 2024には次世代のスマートフォンや、IoT製品のコンセプトモデルの展示も目立っていた。その中から3社の製品を紹介しよう。いずれも製品化時期は未定だ。
モトローラの腕に巻き付くスマホ
モトローラは丸めるように曲げられる「アダプティブディスプレー」を搭載したスマートフォンのコンセプトモデルを公開した。詳細スペックは不明だが、Androidが搭載されており、スマートフォンとして使うことが可能だ。
背面は蛇腹をファブリック状の素材で覆ったデザインになっており、裏側の自由な位置で本体を曲げることができる。金属上のパーツは後述する腕にはめるバンドに取り付ける際のマグネットとなっている。
中央部分から曲げれば「C」状の形となるし、端側で曲げれば「L」状となり、机の上に立てかけることもできる。C型にして向かい合わせにゲームを表示して対戦できるし、L型ではスタンド形状として使うと判断し、自動的にホームボタンなどが下部に配置されるようUIが変わる。
腕に装着するときは金属製のバンドをはめ、バンドのプレート部分にスマートフォン背面のマグネットを装着する。これにより、ハメたまま手を振っても簡単に外れたり落ちないようにしている。このモデルは2023年10月にアメリカ・テキサスで開催した「Lenovo Tech World 23」で発表されたが、実際に稼働する実機を自由に触ることができたのは、今回のMWCが初となる。
AI機能を組み込んだグラス、OPPOの「Air Glass 3」
ARグラスをこれまで2機種開発してきたOPPOは、MWCでメディア向けに最新技術のテクノロジーブリーフィングを行ない、新たにAI機能を搭載した「OPPO Air Glass 3」のプロトタイプモデルを公開した。メガネのレンズにディスプレーを内蔵したARグラスタイプの製品で、表示はフルカラーだという。重量も50gと軽量で、一般的なメガネのように違和感なく装着できる。
スマートフォンと接続し、通知や予定などをディスプレーに表示できる。また、OPPOが開発した大規模言語モデル「AndesGPT」に接続可能で、Air Glass 3のつるの部分をタッチすると音声AIが起動し、検索など様々な情報をめがねにも投影できる。
ほかにも音楽再生、音声通話、情報表示、写真閲覧などもタッチで操作可能だ。ブリーフィングではOPPOは2024年2月20日に関連技術を開発する「OPPO AI Center」を設立したことも発表した。
OPPOはノキアとの特許紛争が長引き、ヨーロッパの一部市場から撤退していた。その関係もあってかOPPOはMWC Barcelona 2024には出展しなかった(4YFNには出展)。しかし、1月にノキアとクロスライセンス契約を結ぶなど解決に進み、2024年にヨーロッパへの再参入をする準備が整った。ヨーロッパの大手キャリア「テレフォニカ」との3年間の販売契約も締結され、今後フラッグシップモデルなどが投入される予定だ。
裸眼3Dスマホの開発を進めるSkyworth
Strongは開発中の裸眼で3D表示可能なディスプレーを搭載したスマートフォン「S7651」を展示した。Storongは中国の大手TV・ディスプレーメーカー「Skyworth」のヨーロッパブランドであり、S7651も同社が開発した3Dディスプレーを搭載している。
ただしブースには技術説明員がおらず、3Dの表示方式は不明だった。実際に3D映像を流していたが裸眼である程度奥行きが感じられ、映像やゲーム体験を広げることができそうだと感じられた。
主なスペックはチップセットがUNISOC T616で4G対応、6.58型(2408×1080ドット)ディスプレー、4800万画素カメラ、5000mAhバッテリーなど。
今回のMWCではZTEも3Dタブレット新製品を発表したが、中国では3Dを使ったスポーツ配信を通信キャリアが行なうなど、3D放送のトライアルも始まっており、裸眼3D表示デバイスの開発も地道に進んでいる。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります