昨年日本上陸のOrbic、KaiOS搭載ケータイの国内投入に5Gイエデンワ、旧富士通工場活用での「Made in Japan」展開も
Orbicは、MWC24 Barcelonaでメディア向け説明会を開催。日本法人トップのダニー・アダモポウロス社長が2024年の事業戦略を説明した。日本向けには4Gフィーチャーフォンや5G自転車を投入予定だ。
FCNT端末を製造していたJEMSの工場に委託開始
円安もあり、日本での生産は品質や価格競争力にメリットあり
日本市場に関連した内容では、まず日本に生産拠点を構えることを発表。生産を請け負うのは兵庫県にあるジャパン・イーエム・ソリューションズ(JEMS)で、元々は富士通の携帯電話の製造部門だった工場だ。
昨今の円安により、日本での生産の価格競争力が強まったことや、高品質な製品製造ノウハウがあること、日本市場向け製品の納期遅れを無くすためだとのこと。またMade in Japanの製品をアメリカや海外で展開することができる点も大きなメリットがあるという。
KaiOS搭載のフィーチャーフォンがついに国内上陸
国内の主要バンドもサポートしている
日本向けの端末については、4G端末「JOURNEY Pro 4G」が紹介された。フィーチャーフォンではあるがKaiOSを搭載しており、海外では「スーパーフィーチャーフォン」と呼ばれることもある。KaiOSはスマートフォン以下、フィーチャーフォン以上を目指したOSで、グーグルが出資していることからグーグル検索やマップ、YouTubeなどグーグル系アプリが一部プリインストールされている。
本体はフリップ式で、折りたたむと外側には1.77型(160×128)のディスプレーを搭載する。カメラは500万画素で必要最低限といったレベル。4Gの対応バンドは1/3/5/7/8/18/19/20/26/28/38/40/41で日本のキャリアの主要バンドにもしっかりと対応した。
KaiOSはすでに海外のNokiaブランドのフィーチャーフォンなど多数の端末に導入されているが、日本語の入力には対応していなかった。JOURNEY Pro 4GはKaiOS搭載端末で初の対応モデルであり、スマートフォンを子供に持たせたくないが通話以外の機能も充実させたいと考える家庭などでも需要があるだろう。
メインディスプレーは3.2型(320×240)、本体サイズは115.3×60.9×19.8mm。そのほかのスペックは以下の写真を参照のこと。
タブレットに受話器を付けたような「OFFICE 5G」
ビデオ会議に便利そう
タブレット端末に受話器をつけた「OFFICE 5G」は日本で過去に発売された「イエデンワ」のように、通話も重視したいユーザー向けの製品だ。5G対応でGoogleサービスも搭載される。10.1型(1280×800)ディスプレーを搭載しており、Zoomなどのビデオ会議アプリをポップアップ表示させながらスプレッドシートなどの資料を開いて会議するといった使い方もできる。
受話器のユニットはネジ止め+端子でタブレット側と接続されており、この部分を取り外しても使用可能。またオプションでPOSユニットも提供予定で、店舗の決済端末としても使用できる。固定回線のモジュラージャックに加え有線LAN端子もあり、PCをOFFICE 5Gに接続してネット接続させることも可能だ。
フロントカメラは150度と広角で、テーブルの中央に設置して3~5名を同時に映すこともできる。会議のことを考えた設計になっているわけだ。
5Gの対応バンドにはn79もあるなど日本での利用も対応。ただし現時点では日本での発売は未定だ。
5Gモジュール搭載の電動自転車
活動量の送信や事故時の保険会社への通報機能も
モーターでアシスト走行もできる電動自転車は5Gモジュールを搭載しており、速度や消費カロリーなどのデータをクラウドへ送信しアプリで管理ができる。また事故が起きたときに速やかに保険会社へ場所の報告なども可能だ。
サドル中央には5Gモジュールを内蔵したユニットがあり、ディスプレー部分に走行距離などの情報を表示できる。停車中は動画を流すことも可能で、プロモーションや広告を流すという新しいビジネス展開も期待できる。今年第3四半期にアメリカで発売予定だが、日本への導入も検討中とのこと。
前面と後方にはカメラも搭載し走行中の前後の様子を撮影できる。事故が起きたときの状況記録や、Vlogなど動画サービスにサイクリングの様子をアップすることもできる。将来は盗難時に自動的にカメラが起動するといった機能を搭載すれば、紛失時の検索などにも役に立つだろう。
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