第760回
14nmを再構築したIntel 12が2027年に登場すればおもしろいことになりそう インテル CPUロードマップ
今週と来週は「消え去ったI/F史」をお休みして、2月21日にサンノゼで開催されたIFS Direct Connectを解説する。IFS Direct ConnectはIFS(Intel Foundry Service)が開催する、初の単体イベントであった。ちなみに基調講演の模様はインテルのウェブサイトおよびYoutubeから視聴可能だ。
残念ながらこのIFS Direct Connect、あまり細かな話は公開されなかった。最終的なスケジュールは下の画像のとおりだが、この後説明するロードマップに関しては新情報が提示されたものの、より深い話に関しては当然説明がない。
翌22日に同じ会場で、FS Direct Connect MAG Workshopが開催されており、こちらはMAG(Military, Aerospace, and Government)向けにより一段深い説明があったらしいのだが、参加資格があるのはCNDA(Corporate NDA:インテルとと企業間秘密保持契約を結んだ企業)の社員のみなので、詳細は当然不明である。そこで今回は、基調講演をベースにした情報のみを解説することになる。
Intel 14A、Intel 18A-P、Intel 3-Tなど
新たなプロセスを発表
まずIFSのロードマップのアップデートから説明しよう。公開されたロードマップが下の画像である。
すでにIntel 7/4/3/20A/18Aの各プロセスについては説明があったが、これに加えて以下の内容が追加されている。
High-NA(NA=0.55)のEUV露光機を使ったプロセスがIntel 14Aとして投入され、これに続き機能拡張版のIntel 14A-Eが用意される。これは2027年頃に提供開始と見られる。
Intel 18Aの後継として性能改善版Intel 18A-Pが用意される。こちらは2025年以降の提供になる。
Intel 3に、TSV(シリコン貫通VIA)を組み合わせたIntel 3-Tが2024年中に提供を開始する予定である。このTSVは、Foveros Directと組み合わせてチップの3D積層を可能にするものとみられる。
これに続き、2025年以降にまずIntel 3の機能拡張版であるIntel 3-Eを、その次には性能改善+TSVのサポートを追加したIntel 3-PTを用意する。
Mature Node、つまりIntel 7以前に関してであるが、まず14nmプロセス(おそらくベースとなるのはIntel 14nm++あたり)を車載向けに信頼性を高めた(配線の厚みを太くしたり、絶縁層の厚みを増やしたりするなど)Intel 16を2022年から提供開始しており、これは連載656回のロードマップにも示されていたことだ。
これに加えて、新しくIntel 16-Eを今回発表した。名前からすれば機能拡張版なわけだが、どんな機能を拡張したのかは不明である。ただこれも引き続き車載向けの高信頼性向けプロセスと考えられる。
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