日本ファルコムを代表するストーリーRPG「軌跡」シリーズの“カルバード共和国編”の第1弾となる、『英雄伝説 黎の軌跡(エイユウデンセツ クロノキセキ)』のNintendo Switch版が2024年2月15日に発売された。
ここではメーカーに提供してもらった製品版をもとに、そのプレイ感や特徴をレビューしていく。本作の価格は、パッケージ版/ダウンロード版ともに5940円だ。
「英雄伝説 黎の軌跡 for Nintendo Switch」OPデモムービー
レビューに入る前に、「軌跡」シリーズについて簡単に説明しよう。本シリーズは、ゼムリア大陸という架空の大地を舞台にしたRPG作品群。これまでシリーズは12作が発売されており、『黎の軌跡』が11作目、多機種では続編の『黎の軌跡II -CRIMSON SiN-』が発売済みだ。
これだけシリーズが続いていると、入りにくいと思う人もいるだろう。しかし、その点はご安心を。本シリーズは国ごとで異なる事件が描かれており、『黎の軌跡』はカルバード共和国という国が初めて舞台となる作品。
主人公も舞台も一新されているので、ここからシリーズに触れるのにピッタリなタイトルになっているのだ。
●“裏解決屋”のヴァンを主人公に
ハードボイルドチックな物語が描かれる
本作の主人公は、非合法スレスレの仕事も引き受ける“裏解決屋”を営むヴァン・アークライド。彼の元に、曾祖父の遺品である《ゲネシス》という謎の装置を探してほしいとアニエス・クローデルという少女が訪れるところから物語は始まる。
ストーリーは章立てで進行。章ごとにカルバード共和国の各地へ向かい、さまざまな事件を解決。それにあわせて、仲間たちも集まっていく流れになっている。また、章内は事件を受けるまでの前半パート、現地に行き事件の調査・解決をする後半パートと大きく2つに分かれている。
章によって要素の入り方が変わることもあるが、主に前半パートでは仲間や関係者との交流、後半パートは謎解き&戦闘と、やることが決まっている。要素がある程度、整理されているので、そのぶん、ストーリーに集中できるようになっている。
ストーリーにはメインストーリーのほか、人々からの依頼(クエスト)となる4spg、特定のタイミングで発生するサブイベント、仲間や親しい人々との関係が見られるコネクトイベントと大きく4つの要素が用意されている。
メインストーリーなら赤色、4spgは緑色、サブイベントは青色とそれぞれマークでマップ上に表示されるので、迷うことはない。コネクトイベントは方向ボタンの左を押すと開けるToDo画面のリストから選べる。
メインストーリーを進めるだけなら赤色のマークを追っていけばいいが、4spgでは報酬としてお金やアイテムがもらえ、コネクトイベントではキャラクター同士の親密度が上がっていく。しかも親密度が上がるとその人物のステータスがアップしたり、専用のアイテムがもらえたりといった利点もあり。
本作では、4spgの解決法で選択肢を選ぶことがある。その際に選んだ回答によって、解決方法が正義寄りか、グレー寄りなものに変化。単に正義の味方でない、グレーな展開が楽しめるのも、本作のストーリーのポイントだ。
また、L.G.C.アライメントと言って、プレイヤーの選択肢の答えによって、LAW、GRAY、CHAOSにポイントが割り振られる。この結果は、市民の安全を守る組織と共闘するか、それともマフィアや秘密結社、謎の組織といったどちらかと言えば闇側の組織と共闘するか、ちょっとしたストーリー分岐に影響する。
本シリーズは、イベントごとにメインキャラクターから街の住人まで、細かく会話内容が変わるのが特徴。こういった会話は世界観を広げる要素にもなっているので、個人的に推したいポイントだ。
これはあくまでもゲームの作り込みに関わる部分で、必ず話しかけないといけないわけではないので、こういうのは面倒だと思う人は安心してほしい。
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