すでに米国男性の45%はAIで「愛のメッセージ」を書く
マカフィーは2月14日、AIツールが「オンライン上での恋愛や婚活で果たす役割」のほか、「キャットフィッシング(他者の個人情報や画像を抜き取って新しい人物になりすまして使用すること)」や「ロマンス詐欺」に与える影響について調査した結果を発表した。
これは2024年1月に米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、インド、日本の7ヵ国計7000人へのオンラインアンケートをまとめたもの。
調査結果によると、米国男性の45%が2024年のバレンタインデーには「AIを使って愛のメッセージを書く」と回答。また米国人の23%が、オンラインデートの際に写真そのほかのコンテンツ作成にAIツールを利用していると答えた。同じ質問に対する日本人の回答はそれぞれ19%と7%で、恋愛へのAIツール利用に保守的な傾向が読み取れる。
しかしAIを“使われる側”になるのは嫌
とは言え、米国では64%、日本では57%が「AIが作成した画像やプロフィールを使用する恋愛対象の候補者に対して不信感を持つ」と回答するなど、AIツールを“使われる側”になることには拒否感があるようだ。
なお米国で31%、日本で6%の人が「オンラインで恋人になりそうな相手が詐欺師であることが判明した」と回答。これはいわゆるロマンス詐欺の横行を示している。
今回の調査に対して、米国マカフィーの最高技術責任者(CTO)スティーブ・グロブマンは、「サイバー犯罪者もAIを悪用していることがわかっています。バレンタインデーやホワイトデーに向けてオンライン上で恋愛を求める人が増えるなか、詐欺師はAIを使って恋愛相手を装い、金銭や個人情報を盗み出そうとします」と述べ、「オンラインで個人情報を相手と共有する前にプライバシー、身元、個人情報を保護するために」適切なツールの使用を推奨した。
実際、米国人の57%が「新たな恋人と出会ってすぐに送金を要求され、そのうちの30%が約15万円(1000ドル)以上の送金を要求された」と回答している。なお、日本人の場合は23%で、そのうちの29%が15万円以上を要求されている。
オンラインデートに関するデータ(米国)
■38%がソーシャルメディアや出会い系サイトで知り合った人のプロフィール写真の逆画像検索をしたことがあると回答(日本は9%)。
■60%がパートナー候補の情報を探るためにソーシャルメディアを利用していると回答(日本は22%)。
■検索の結果、35%(日本7%)が「相手への好感度が上がった」、23%(日本5%)が「相手への好感度が下がった」と回答。
■13%は、検索することで自分が詐欺に遭っていることに気づいたと回答し(日本5%)、7%は、潜在的なパートナーが以前に他人を欺いていたことに気づいたと回答(日本3%)。
■11%は、検索によって、その恋人がほかの誰かと交際していることに気づいたと回答(日本2%)。
経済的・精神的な失恋の防御策
■出会い系アプリやソーシャルメディアを通じて、恋愛相手から受け取るダイレクトメッセージを精査します。詐欺師を見分ける1つの方法は、一貫した生成AIのメッセージを見ることです。このようなメッセージは一般的かつ中身が無いことが多いです。さらに、実際に会ったことのない相手から届いたメッセージのリンクをクリックしないように注意することも大切です。
■相手が使っているプロフィール写真を逆画像検索しましょう。恋人候補が別の名前を使用、あるいは話をしていたことと一致しない場合は、詐欺師と会話している可能性が大いにあります。
■実際に会ったことのない相手には、たとえ相手が先に送金してきたとしても、決してお金やプレゼントを送らないでください。詐欺師は、被害者を油断させ、信頼を築くためにお金を送ることが多いです。相手が個人情報を教えてきたとしても、個人情報や口座情報を共有しないようにしましょう。
■新しい恋の相手は、信頼できる人に相談しましょう。希望に満ち、舞い上がっているときは、つじつまの合わないことを見逃しがちです。そのため、友人や家族が心配していたら注意を払い、ゆっくりと相手と関係を深めていきましょう。
■オンライン詐欺を見分けるためのツールを活用。マカフィー製品には、ショートメッセージ、電子メール、オンライン検索、ソーシャルメディアで共有される危険なリンクなど、いまだかつてないオンライン上の脅威や詐欺をリアルタイムで検出して保護する「マカフィー 詐欺メッセージ対策」といった革新的な機能があります。さらに、マカフィーでは、ディープフェイクの検出を強化しており、AI詐欺にはAIで対抗していきます。
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