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冬のヘッドフォン祭 mini 2024で気になった新製品 by佐々木喜洋

2024年02月12日 07時00分更新

超ハイエンドイヤホンと新イヤーピース

 アユートは、ハイエンドイヤホンの新作2点を出展。

Empire Earsの新フラグシップIEM「RAVEN」は59万9500円という高価なモデル。フェイスプレートが金のモデルと黒のモデルがある。金のモデルは限定版の初期モデルで、黒が通常モデルだ・黒の通常盤は今回が初披露。音質に関わる部分に差はない。音はとてもクリアでヴォーカルや楽器音が美しい。リスニング寄りのハイエンドサウンドだと感じた。

RAVEN。金色が初期モデル、黒が通常モデル

 qdcの「EMPEROR」は15ドライバーを搭載。最終サンプルが出展されていた。価格は未定だが、50万円弱になりそうだ。とても解像感が高く、左右方向の広がりがあり深みが感じられるようなサウンドだ。

EMEROR

 また、サプライズ出展として、SednaEarfitの新作イヤーピース「XELASTEC II」を披露していた。「XELASTEC」の改良モデルで、従来あった脆弱性を異なる素材を用いたハイブリッド構造でケアしたもの。価格は発売済みの「SednaEarfit Formax」と同程度とのこと(2970~3960円)。

finalはD7000を展示、くじはすぐ完売

 finalは発売が2月29日に決まったハイエンドヘッドホン「D7000」を出展。直販価格は39万8000円。D8000/D8000 Proは性格の異なるフラッグシップ機として併売する。

D7000、手前がディフューザー

 D7000は従来のヘッドホンにはない独創的なディフューザー「ピナ・アライン・ディフューザー」を特徴としている。ドライバーと耳の間に設ける複雑な形状の部品だ。普通に考えると、振動板と耳の間にはなにもない方が音が良さそうだが、ポイントは振動板の音が直接鼓膜に当たるわけではなく、まず外耳に当たるということだ。このため、外耳の形に沿った形状のディフューザーを挟むと外耳に当たる音の気流が、理想的に整いピークやディップを抑えた滑らかな音になるという。“ピナ・アライン”は耳介に沿うという意味だ。

 D8000とD7000を比較試聴した。全体的には似たようなサウンドではあるが、ヴォーカルや楽器音の再現性に特徴がある。D7000は独特の滑らかな良さを感じさせる。個性的な音再現だ。

バレンタインガチャ

 また、「finalバレンタインガチャ」として1回5000円でハズレなしの景品が当たるイベントも開催。行列を生むほど盛況であった。

超強力なマグネットを搭載するイヤホン

 MUSINは、2月20日と発売間近の新イヤホンiBasso Audio「3T-154」を展示。これは3T(テスラ)という超強力マグネットと15.4mmの超大口径振動板を特徴としたイヤホン。上流(ソース音源)の差異を出しやすく、ハイエンド音源に向くということだ。スペックの割に実売2万4750円と手頃だ。2月13日に予約を開始する。

3T-154

 かなりずっしりと重いイヤホンだが音も個性的で、空気がたくさん押し出されるような低音の迫力があり、中高域の鋭さも兼ね備えている。

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