ゲーム向けミドルウェア「CRI ADX」にヤマハの仮想立体音響ソリューション「Sound xR」を標準搭載
ミドルウェアの進化でゲームハード間の「立体音響の聞こえ方」を標準化!
CRI・ミドルウェアは2月9日、同社が提供するサウンドミドルウェア「CRI ADX」に、ヤマハが持つ仮想立体音響ソリューション「Sound xR」を標準搭載したと発表。
これにより、機器の性能差や仕様の違いによって生じる「異なるプラットフォーム間における立体音響の聞こえ方の差」をなくし、今までのゲーム開発では難しいとされていた、さまざまな環境のゲームプレイヤーに対し「同一の立体音響によるリアルな没入感」を提供可能になるという。
これまでの課題と連携により実現できること
近年のゲームは、複数のプラットフォーム向けにリリースされるのが一般的となっており、異なるプラットフォーム間での対戦や協力が可能なゲームも増えてきている。しかし、ここで課題となるのが「プラットフォームごとの独自の機能や処理能力の違いにより、ユーザーの体験が異なってしまう」という点だった。
とくに、ゲーム空間内のプレイヤーと音源の位置関係に応じた聞こえ方を再現する立体音響では、プラットフォームの独自機能によって実現するのが一般的。また、スピーカーやヘッドフォンなど、プレイ環境の違いによっても聞こえ方が変わってしまうという問題がある。
このような背景から、立体音響においては最終的なプレイヤーの体験をサウンドデザインや制作の段階で調整するのは非常に困難だった。
それが今回の標準搭載により、Sound xRによるイヤフォン・ヘッドフォン向けの高品位な仮想立体音響を、さまざまなプラットフォームに展開することが可能となる。
また、ゲームサウンド制作に使用するCRI ADXの専用オーサリングツールもSound xRに対応。このため、サウンドデザイナーは実際の聞こえ方を確認しながら制作が行なえるように。
意図した通りの立体音響表現を作品に反映できることにより、クリエイターが制作に集中できる環境を提供し、クリエイティビティや情熱をプレイヤーにそのまま届けられるようになる。
ゲームへの立体音響の標準化とその先の未来
CRIとヤマハは、今回の取り組みを通じて「ゲーム領域での立体音響の標準化」を目指すという。
今回の連携により、これまで課題となっていた技術的障壁を取り除いたことは、ゲームで立体音響を使用するハードルを下げ、ゲーム領域でのサウンド体験の向上に貢献するだろう。
また、今回の標準搭載は世の中の音声表現を拡張し、新たな表現を当たり前にするための取り組みの第一歩。CRIは今後もヤマハとの技術連携を継続的に行ない、ゲームの領域にとどまらずあらゆる音声の体験向上を目指していくという。
■CRI ADXとは
CRI ADXは、UnityやUnreal Engine 5をはじめとしたゲーム開発環境のサウンド機能を拡張する、マルチプラットフォーム開発に最適な総合サウンドミドルウェア。
CRI ADXを利用することにより、ゲーム開発で要求される多様なサウンド演出を手軽に実現可能。
■Sound xRとは
Sound xRは、ヤマハが持つイヤフォン・ヘッドフォン向けの仮想立体音響ソリューション。ヤマハの研究開発で培われた音響特性モデル(HRTF:頭部音響伝達関数)を使用し、音声コンテンツの空間定位を自由かつ高精細に行なえる。
© CRI Middleware Co., Ltd.
※「CRI」「CRIWARE」、CRIWAREロゴは、日本およびそのほかの国におけるCRI・ミドルウェアの商標または登録商標です。
※そのほか、文中に記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
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