P&Gが無償のビジネススクールを開校
P&Gジャパンは、一般向けビジネススクール「P&G ビジネススクール(以下、スクール)」を開校し、無償提供すると発表した。
「管理職向けコース」と「すべての方向けコース」の2コースを用意。2024年5月9日に開校予定で、2025年5月までに第1期~第3期の実施を予定する。第1期の定員は各30名で、公式サイトを通じて募集を開始している。
同社 人事統括本部 シニアディレクターの市川薫氏は、「P&Gは『人材こそが最も重要な資産であり、人材育成は経営戦略である』という考えを持ってきた」と話す。同社の強みである人材育成の知見を社会に還元し、日本経済の成長を手助けするのが開校の狙いだという。
講座の内容は? 誰が受けるべき?
さて、P&G ビジネススクールでは何が学べるのか? 同社はプログラムを「シン・コミュニケーション力習得プログラム」と名付ける。同社がシン・コミュニケーション力と呼ぶコミュニケーション能力は、3つの特徴を持つ。それは、相手の行動を促すための「コミュニケーションの目的」を常に明確にすること、「どのように伝えるか」だけでなく、「伝える相手」を深く理解した上で「伝えるべきこと」を構築すること、そして、「個々の能力を最大限に引き出すための人材育成の基本」だという。
価値観が多様化し、デジタルコミュニケーションツールが発達する中で、日本社会における働き方や、コミュニケーションの方法も多様化している。同社は、30以上の国籍の社員が働き、20年以上前から在宅勤務を導入するなど、多様な背景や価値観の中で、人々の能力を最大限発揮させるためのコミュニケーションを意識してきた。また、ビジネスシーンでも活用が進むAIに、目的や状況を明確化して指示を出す能力も意図しているとする。
なお、会場にはP&Gジャパン東京オフィスを使用することを予定しており、第1期、第2期は対面(第2期については会場未定)、第3期はオンラインで実施予定。申込時点で18歳以上で、原則、2日間行う講義の両日に出席が可能であり、応募フォームにあるアンケートに協力することが応募条件だ。
管理職向けコース
前編:コーチング - コミュニケーションが相手の能力を最大限に引き出す伴走力
育成対象者が目指す到達目標に向けて必要な能力を最大限に引き出し、成果を最大化するには、単純に課題に取り組むことを促すのではなく、対象者本人が気付き、主体的に行動することによって最大の成果を発揮することが重要になる。その際に育成者に必要となるのは、本人に気付きを与える「効果的な質問」。その手法は一つではなく、信頼関係に基づいた育成者と育成対象者の行動傾向と成熟度(能力・姿勢)によってスタイルは異なる。本講座では、部下が目指す目標に到達するための能力を最大限に引き出す伴走力=コーチング力を学ぶ。
後編:フィードバック - コミュニケーションが「未来の行動変容」を生む成長促進力
フィードバックの目的は、フィードバックを伝える側と受ける側の双方が共通の目標を持つこと、そして状況把握を共有することで、フィードバック対象者の思考と行動に変化を促し未来につなげることにある。フィードバック対象者を理解するために、客観的な事象から、生じた影響と対象者にとって大切な要素を抽出し、それを基に、フィードバックを伝える側と受ける側の関係性やタイミングなどによって声かけを変えていく。本講座では、上下の関係に限らず相手の行動変容を促し、成果に繋げるための効果的なフィードバック手法を学ぶ。
すべての方向けコース
前編:成長思考 - コミュニケーション(発言と行動)が変わる成長思考
結果よりも成長に目を向け、思い通りの結果が得られない場合でも、その過程でどのくらい成長できたかに照準をあてることが、自分の可能性を広げることにつながる。成長思考とは、そうした「可能性を広げることができる心構え」を指し、それを習得することによって自身が起こす「コミュニケーション(発言と行動)」も変化し得る。成長思考を養うためには、自分の基礎能力は自分が挑戦したことによって構築できるという自分自身への信頼が基本となる。本講座では、P&G社員全員が基本能力として期待されている成長思考を学ぶ。
後編:リーダーシップ思考 - コミュニケーション(発言と行動)で導く自分らしいリーダーシップ思考
自分自身に対して成長を促進する考え方や心構えは、どうすれば習得できるのか。それには実は明確なステップがあり行動がある。さらにそのアプローチは一つではなく、自分の得意なアプローチ=スタイルで取り組むことによって、よりハードルが低く、より効果的に習得することができる。本講座では、自分自身に対するリーダーシップの心構えを持つことによってコミュニケーション(発言と行動)が変化し、自己成長を促進する方法を学ぶ。
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