エムエスアイコンピュータージャパン(以下:MSI)の新製品内覧会に出席してきた。
昨年末、発表されたばかりのインテルCore Ultra搭載のゲーミングモデルのほか、MSI初というポータブルゲーミングPC、ビジネス・クリエイター向けのノートPCなど、注目すべき製品がいくつもあった。
実際に内覧会ではモデルのサンプルを手にとることができたので、その様子をレビューしていきたい。
携帯性抜群なポータブルゲーミングPC
今回、最も注目すべきモデルは、やはりMSI初のポータブルゲーミングPC「Claw A1M」だろう。
CPUにはNPUを内蔵した新世代のインテルCore Ultra、GPUにはインテルArcグラフィックスを採用。16GBメモリー、最大1TB搭載可能なモデルとなっている。
従来のポータブルゲーミングPCは、AMD製の「Ryzen Z1」等のCPUを搭載していることが多かったが、今回インテルCore Ultraを採用することで、インテルArcグラフィックスの性能をフルに活かせ、解像度や設定を上げた状態でゲームプレーが可能。
またインターフェースにThunderbolt 4 Type-C(USB PD対応)を搭載しており、幅広い拡張性を備えているところも大きな特徴だ。
ポータブルにする上で、大きなポイントとなる排熱面もMSIの「Cooler Boost HyperFlow」を装備することで、冷却性能を最大化。長時間のゲームプレーでも発熱と動作音を抑えられるとする。
開発サンプルを手に取らせてもらったが、エルゴノミクスデザインを採用しているため、非常に持ちやすい形状。バッテリーも大容量の53Whrで、ゲームプレーで最大2時間駆動を実現しているようなので、じっくりゲームを楽しめそうだ。
十字キーやアクションボタンを最適な設定にする「Gamepad Mode」や、左スティックとAボタンでマウスカーソルを操作できるWindowsモードの操作の最適な「Desktop Mode」の切り替えなどもシステム管理ソフトでできるのはうれしいところ。
製品サイズは294×117×21.2mmで重さが675g。Claw A1M専用のドッキングステーションなど周辺機器の発売も予定されているそうなので、続報を待ちたい。
ゲーミングノートも充実のラインアップ
もちろん、2024年のゲーミングノートも豊富なラインアップとなっている。
2023年モデルと比較すると、主にフラッグシップモデルにディスプレーサイズを18型に拡大した「Titan 18 HX」を投入し、ハイエンドモデルだった「Raider GE」「Vector GP」シリーズを「Vector 17/16」シリーズに統一、加えてミドルスペックのCyborgシリーズに新たに「Cyborg 14」という14型モデルが登場している。
MSIでは2024年のラインアップを大きく3つのレイヤーに分けて発信しており、カジュアルゲーマーからeスポーツを楽しみたいプレイヤー、プロゲーマーまで、幅広い層が手に取れるラインアップだ。
なお、グレーで囲われているStealthシリーズはCPUにインテルCore Ultraを搭載しており、ゲーマーだけでなくクリエイター向けにもおすすめのモデルだという。
Cyborg 14
ビギナーからプロまで、幅広い層に向けてモデルが展開されているが、注目モデルの1つがCyborg 15が好評を得て、新登場したCyborg 14だろう。
MSIゲーミングノート史上最軽量とうたう本モデルの重さはおよそ1.6kg。Cyborg 15と比較しておよそ0.4kgの軽量化を実現している。
主なスペックは、第13世代インテルCore、GeForce RTX 40シリーズLaptop GPU、最大64GB(32GB×2)の大容量メモリー、リフレッシュレート144Hzの滑らか表示ディスプレーなど、ゲーミングPCに求められる必要な性能・機能を厳選して、コンパクトに詰め込んでいる。
薄型ノートにすると省かれがちな有線ポートもしっかり搭載しているので、安定したネットワーク接続でゲームを楽しめるという。
サイバーパンクから触発されたという背面のスケルトンデザインも継続している。
やはり軽くて、携帯性抜群というのがおすすめなポイント。持ち上げるとおなじみスケルトンデザインが背面にあしらわれているのが分かる。
Titan 18 HX A14V
また注目モデルとしては、ゲーミングノートPCのフラッグシップモデル「Titan 18 HX A14V」も忘れられない。
2023年の「Titan gt77」と比較し、ディスプレーサイズが18型に拡大した大型のゲーミングノートPC。
CPUにはインテルCore i9(第14世代HXシリーズ)、GPUにはGeForce RTX 4090 Laptop GPU」(Titan-18-HX-A14VIG-4003JPのみ)を搭載し、ゲーミングノートPCにおける最高峰のグラフィックス処理性能を実現している。
メモリーは国内向けの標準搭載では64GB、128GBとなっているが、市販されている48GBメモリーを4枚搭載することで最大192GBまで増設可能。
高性能CPU・GPUの性能を最大限発揮させるため、高性能放熱板と大型冷却ファンを組み合わせた超強冷クーラー「Vapor Chamber Cooler」を搭載しているのも大きな特徴。長時間のプレーでも、パフォーマンス低下を防ぎ、安定動作を実現できるという。
4K+ Mini LEDディスプレー、リフレッシュレート120Hz、DisplayHDR 1000、広色域DCI-P3相当などフラッグシップモデルにふさわしいハイスペック仕様となっている。
Prestige16 AI Studio B1V/Prestige 16 AI Evo B1MG
内覧会では、ビジネス・クリエイター向けの「Prestige16 AI Studio B1V/Prestige 16 AI Evo B1MG」も紹介された。
Prestigeシリーズは大きな特徴として、CPUにインテルCore Ultraを搭載。またクリエイターにも使ってもらえるようにGPUにはGeForce RTX 40シリーズを装備。メモリーには32GBオンボードメモリーを標準搭載している。
従来の性能重視コア「Pコア」と省電力重視コア「Eコア」に加え、消費電力をさらに低くした「LP Eコア」が新たに追加され、省電力性能が強化されている。
またCPU内蔵GPUにはインテルArc グラフィックスを内蔵しているため、GPU性能を大幅にアップ。クリエイター向けとしては嬉しい映像処理の効率化も実現している。
ディスプレーは4K+OLED(有機EL)ディスプレーを採用することに加え、一般的なノートPCよりも縦に長いアスペクト比16:9の「Golden Ratio ディスプレー」となっている。
MSI×Crystal Dew Worldがコラボレーション
なお、内覧会ではMSI×Crystal Dew Worldのコラボレーションも発表。
世界的に有名なベンチマークソフト「Crystal Disk Info」「Crystal Disk Mark」とのコラボとして、MSIノートPCイメージキャラクター「美星メイ」Editionが登場する。
コラボEditionの発売は2024年春を予定しているという。
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