Sightfulは、キーボード付きAndroidデバイス「Spacetop」をCES 2024に出展した。本体はほぼキーボードのみで、表示はケーブル接続されたARグラスを使用する。
◆ディスプレーの代わりにARグラスを使うタブレット
Spacetopは、どこにでも持ち運べるキーボード付きのタブレットだ。本体カバーを装着した状態の外観はクラッチバッグのようで、このまま小脇に抱えて持ち運ぶことができる。実際に移動しながら使うことを考えてこのようなデザインになったとのこと。
カバー部分を本体の裏側に折り返すと、キーボードが現れる。キーボード前方にはウェブ会議用にも使える500万画素のフロントカメラも搭載されている。そしてキーボードの上にはケーブルで接続されたグラスが乗せられている。これはXreal製のARグラスをカスタマイズしたものらしく、Spacetopはディスプレーの代わりにこのARグラスを使って表示を見ることができるのだ。
ARグラスはマグネットなどで固定されているわけではなく、簡単にキーボード部分から外して使うことができる。ケーブルは固定式なので取り外しはできないが、1m程度の長さがあるので実用上は問題ないだろう。
さっそくグラスをかけてみると、目の前には約100型の大きなディスプレー空間が広がっている。マルチウィンドーに対応して複数の画面を並べることも可能だ。キーボードで設定操作もできるため使い勝手は悪くない。キータッチは若干やわらかく、ストロークも浅めだ。チップセットはSnapdragon XR2で、メモリーは8GB、ストレージは256GBを搭載する。
本体サイズは幅26.6cm、奥行き24.9cm、最大高さが4cmで重量は不明。USB Type-C端子を2つ搭載し、充電はPDの65Wに対応、2時間で85%の充電が可能とのこと。Wi-Fiに加え5Gにも対応しているため、単体での運用も可能だ。バッテリー容量は不明だが約5時間の使用が可能だという。
Spacetopは多くの来場者からの注目を集めていた。ARグラスの解像度はフルHD×2であり、仮想空間に横3列×縦2列のデスクトップ画面を表示することもできる。キーボード付きデバイスということから、ゲームなどエンタメ用途というよりもビジネス向けに展開されるようだ。なお、価格は2150ドル(約31万円)。
ARグラス内の表示を、スマートフォンやタブレットに出力する機能も備えている。Spacetop本体のメガネ収納部分の左には、正方形の電子ペーパーディスプレーを搭載しており、キーボードショートカットを押すとここにQRコードが表示される。そのQRコードをスマートフォンやタブレットのカメラで読み込むと、ブラウザーにARグラスの内容が表示されるのだ。
Spacetopはテーブルがなくとも、両手で本体を持ったままある程度操作できる。ディスプレーを他人に見られる心配もないため、機密の業務をするのにも便利だろうし、外光の影響を受けにくいので屋外での仕事にも向いているだろう。
高価なのがネックなので、5Gなしの廉価版もぜひ欲しいところ。ARグラスの新たな応用デバイスとしても、今後Spacetopは注目されそうだ。
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