韓国と米国が2019年に先陣を切ってスタートさせた5G。4年が経過して、その展開は順調な様子だ。世界で5Gはモバイルデータトラフィックの25%を占めるに至るという。Ericssonが年2回発行する「Ericsson Mobility Report」(2023年11月版)を公開した。
5G契約数は予想を上回る増加、2023年末に16億契約に到達
5Gの契約数が伸びている。2019年にスタートした5Gは、2023年末に16億の契約数を見込んでいる。16億という数字だが、前回(2023年6月版)は2023年末に15億との予想だったので、予想を上回るペースで増えていることになる。年初(2023年第1四半期)は11億だった。
地域別には北米が堅調。5G加入契約の普及は2023年末に61%に達すると予想している。実は世界で最も普及している地域だ。
5Gの人口カバレージは、現在の45%から2029年に約85%に達する見込み。なお、4G(LTE)もいまだ増えており、現在90%、2029年に95%を予想している。地域別には、米国と中国が最多、両国ともに2023年末時で95%の人口をカバーしている。契約者数で5Gが4Gを逆転するまでにはあと2-3年かかりそうだ。
今回、Ericssonは、5Gのうちミッドバンドのカバレージのみを取り出して報告している。「100MHz以上(の周波数幅)でMassive MIMOを展開することでパフォーマンスが一番出る、5Gならではのバンド」とエリクソン・ジャパンCTO、鹿島毅氏はその特徴を説明する。5Gミッドバンドは2023年末までに世界の既存4G基地局の約30%に展開されるとEricssonは推定している。なお、5Gにおけるミッドバンドのカバレージについても北米と中国が高い(それぞれ85%、95%)。
5Gスマホは1000機種以上、2023年の62%を占める予想
スマホについてもページを割いている。
しばしば報じられているように、現在スマホ市場は不調だ。2023年第3四半期に前年同期比1%減少、2023年通年では12億台の出荷台数を予想している。これは過去10年で最低レベルという(なお、2023年第4四半期は前年同期比3%増、以降回復を予想している)。
全体のパイが膨らまないが、5Gスマホの比率は高まっている。レポートでは、2022年には出荷台数の57%だった5Gスマホの比率が、2023年は62%を占めるという予想を公表している。5G対応機種数は累計1000を超えており、2023年だけで約240種類が投入された。
なお、折りたたみ式は現在10社のベンダーが展開しており、合計の機種数は17。出荷台数は2023年前半、前年同期比16%増加している。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります