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山根博士のグロスマレビュー

100倍望遠も夜景も実用的な「vivo X100 Pro」は2023年最強のカメラスマホ!

2024年01月03日 15時00分更新

◆高倍率のデジタル望遠も実用的なカメラ画質

 X100 Proでの作例を紹介する。モードは特記以外はすべてZEISSナチュラル、標準画質(ピクセルビニング・1200万画素)で撮影した。まずは秋の風景を撮影してみたが、色味はそれほど派手ではなく、空の色はHDRを効かせて美しい青を表現している。水面の暗い部分に写る木々の葉の色もうまく写している(すべて35mm判換算)。

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ZEISSナチュラルで秋の風景を撮影(等倍、23mm)

 同じシーンを5000万画素の高画質モードで撮影すると、全体はより明るくなった。日中であれば高画質モードでの撮影が、よりX100 Proのカメラ性能を引き出してくれるだろう。

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5000万画素モード撮影(等倍、23mm)

 超広角も5000万画素のため暗い部分もしっかり撮影できる。1倍から0.6倍に切り替えてもレンズの差に違和感を覚えることはないだろう。

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超広角(0.6倍、15mm)撮影

 4.3倍望遠でも画質は高いままだ。色の表現も自然で風景写真撮影にも十分使えると感じる。

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4.3倍(100mm)望遠撮影

 デジタル望遠はどうだろうか。10倍(233mm)で撮影してみたが、AI処理がうまく効いており、エッジ部分もシャープな仕上がりだ。葉っぱなど自然な被写体はやや甘いものの、建物や鉄塔など人工物はデジタル望遠とは思えないデキだ。光学10倍望遠を搭載している他社のスマートフォンカメラと遜色ない絵ではないだろうか。

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デジタル10倍(233mm)撮影

 さらに倍率を上げてデジタル26倍、600mmで撮影してみた。鉄塔にかなりシャープをかけているが、この画質ならPCの大きなディスプレーで見ても十分使える。ここまでの望遠も実用的とは驚いた。

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デジタル26倍(600mm)撮影

 そしてデジタル100倍(2326mm)はスマートフォンのディスプレーで見れば十分耐えられる画質であり、PCで見れば甘さもあるが他社の100倍や120倍カメラと比べるとディテールの表現もしっかりしており、記録用だけではなくSNSへの投稿用としても使えるレベルだ。V3チップのAI性能の強さをデジタル高倍率望遠撮影で十分感じることができた。

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デジタル100倍(2326mm)撮影

◆V3チップの強さを夜景撮影で確認

 続いて夜景モードで倍率を変えて撮影した。まずは超広角、広角、望遠での撮影だ。V3モードのISP性能が高いことから、夜景モードでも撮影後の処理に待たされることはなく、続けての連続撮影も十分できる。

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夜景モード0.6倍(15mm)

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夜景モード等倍(23mm)

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夜景モード4.3倍(100mm)

 続いて夜景モードでのデジタル望遠をテストした。10倍(233mm)は日中撮影より細部処理は弱くなるものの、デジタル望遠とは思えない仕上がりだ。対岸側の暗い場所はより仕上がりが甘くなるが、木の枝などもうまく写している。

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夜景モード10倍(233mm)

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夜景モード10倍(233mm)

 デジタル26倍(600mm)でも観覧車の鉄骨はAI処理でしっかり表現。地表側はさらに暗いことからだいぶ処理には苦労している。夜間でも光のあたる人工物なら十分使えるレベルだ。最後のデジタル100倍(2326mm)はさすがに夜景モードでは記録用と割り切った使い方になりそうだ。

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夜景モード26倍(600mm)

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夜景モード26倍(600mm)

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夜景モード100倍(2326mm)

 高倍率に強いカメラを搭載するX100 Proだけに、マクロ撮影は望遠マクロで撮るといい感じに撮れる。

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4.3倍(100mm)撮影

 ポートレート撮影もボケの度合いはいい感じだ。

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ポートレートモード35mm撮影

 食事撮影だが、フードモードとZEISSナチュラルの組み合わせではスマートフォンのセンサーで受けた情報をそのまま近いイメージで出力するためか、実はあまり美味しそうに写らないことが多かった。食事はビビッドモードなどで撮影したほうがよさそうだ。なおフードモードは約2倍の50mm撮影となる。

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フードモード 50mm、ZEISSナチュラル

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フードモード 50mm、ビビッド

【まとめ】望遠と夜景の強さで最高のカメラスマホ

 X100 Proのカメラを使った印象はツァイスならではの自然な色表現を選べるだけではなく、望遠と夜景性能の高さに大きな感銘を受けた。高倍率望遠を搭載するスマートフォンは多いが、X100 Proはそれらの中でもかなり抜きんでた性能を持っている。しかもその性能は夜景撮影でも同じ体験を得ることができるのだ。

 X100 Proはスマートフォンカメラの進化競争の中で、vivoが伏兵どころかトップを走る主役的な存在であることを知らしめる1台と言えるだろう。日本での発売予定がないことだけが残念でならない。

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