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iPhone 15 Pro Maxのカメラの限界に挑戦! D1のドリフトマシンを流し撮った

2024年01月02日 12時00分更新

 モータースポーツイベントを取材するにあたって、必須機材の「カメラ」。キヤノンやニコン、ソニー、パナソニックなどなど様々なメーカーや機種、レンズがありますよね。ファンもプロ顔負けのカメラ機材を持ち込んで、カッコいい写真を撮ったりしています。

iPhone

 しかしながら、ミラーレス一眼カメラが定番になった現在においても、それなりの機材はそれ相応の大きさと重さがあります。望遠レンズになるとそれ単体で1kg前後の重量だったりも。多くの人が観戦しにやってくるモータースポーツイベントでは、移動の妨げになったり、最悪どこかにぶつけたり、落としてしまったりして破損してしまうおそれがあります。

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 現在のスマートフォンは、処理性能と同様にカメラの性能も著しく向上しています。画素数も4~5000万画素は当たり前で1億、2億画素など数字だけ見れば一眼カメラにも見劣りしません。またX(旧Twitter)やInstagramといったSNSで、良い写真は誰よりも素早くみんなに見せて自慢したいですよね。

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 そこで今回は、最新鋭の人気スマートフォンであるアップルの「iPhone 15 Pro Max」にて11月11日(土)に東京・お台場で開催された「2023 D1GP TOKYO DRIFT」に参戦したD1マシンのドリフトを撮影してみました。果たしてスマホが苦手とする流し撮りはできるのか!?

◆ProRAWで撮影した写真を無加工でJPGにする

 9月に発売されたApple最新のiPhone 15シリーズ最上級モデル「Pro Max」。画面サイズ以外は、高性能プロセッサ「A17 Proチップ」搭載などスマートフォンとしての構造・機能面は「ほぼ」、一回りコンパクトな「Pro」と同一です。けどあえて「Pro Max」にしたのはなぜか? 今回の主役である「カメラ機能」にわずかな違いがあり、それがモータースポーツ撮影においては重要だからです。

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 それは、望遠機能です。iPhone 15 Proの望遠カメラは3倍(35mm判換算で77mm相当)ですが、iPhone 15 Pro Maxの望遠カメラは5倍(35mm判換算で120mm相当)となっています。光学で120mm、さらにデジタルズームで画質を保ったまま、かなり寄った撮影が可能になるからです。

 今回の撮影ではiPhone 15 Pro Maxのカメラ性能をMaxに発揮してもらうので、撮影モードを「ProRAW」にて撮影してApple標準写真アプリで加工せずにJPGに出力しています。ProRAWは、iPhone 12から実装された高画質な非圧縮のRAW撮影モードになります。特徴はiPhoneの画像処理と併せた現像が可能であり、iPhoneやMacの標準アプリで現像処理が可能なことです。

 また忘れてはならないのは、LightningからUSB-C接続になったこと。これによって、撮影データを高速にMac/PCに取り込むことが可能になったのも大きな進化です。

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◆しっかり追尾してくれるAF性能と
デジタルズームは想像以上の高画質で驚き

 まず結論から。

・AFの追尾性能は十分
・ズームの解像度は、光学5倍からデジタルズーム10倍前後までは実用域
・背景まで流した「流し撮り」は難易度高い

 iPhoneの標準カメラアプリは、基本的にオートなのでAndroidのスマートフォンみたいに、シャッタースピードや絞りなどを変える(Xperia 1シリーズなど)ことはできないですが、その分しっかりと被写体を捉えてくれます。この日で800枚前後撮影したのですが、ピンボケ写真はほぼありませんでした。

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岩井照宣選手が駆る、今ではネオ・クラシックカーであるマツダ RX-7(FC3S)。ISO 50 298mm相当(デジタルズーム)

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単走決勝で松山北斗選手が、深いドリフトアングルと1000馬力超のGRスープラで煙モクモクドリフトを見せつける! ISO 50 / 120mm(光学5倍ズーム)

 また、iPhone 15 Pro Maxだけに備わる光学5倍ズームですが、今回はその5倍(120mm)から10倍(240mm)前後を使いましたが、どれも解像度は高いものとなりました。10倍前後は、流石に粗が目立ち始めましたが、SNSレベルであれば十分な画質だと思います。デジタルズームは最大25倍まで可能ですが、記録として使う程度の解像度になります。

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300mm(12.5倍)相当ではあるが、被写体がある程度接近していればしっかりと解像度が出ている

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294mm相当で撮影。被写体が離れている(30mぐらい)とノイズが目立つが、それでも細部が認識できるレベルで収まっている

 背景までキレイに流す、いわゆる「流し撮り」ですが、これについてはiPhoneの標準カメラの機能として、シャッタースピードを任意で調整できないためなかなか難しいです。その分確実に被写体を捉えてくれます。もしかしたらより速いサーキットレースの撮影なら流し撮りになりやすい可能性もあります。

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中村直樹選手のGR86。キレイにクルマも景色も流れている一枚。167mm相当。シャッタースピード 1/194s

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少し引くと観客席も入ってイベント感が出てくる。Konpichit Toyingcharoen選手の180SX。120mm相当

 iPhone 15 Pro Maxは、流し撮りは難しかったけど「撮りたいものを確実に捉えてくれる」というのが一番の感想でした。ちなみに使っていて気になったのは、バッテリーの持ちです。今回、ProRAWモードでの撮影ということもあって、途中で一度充電が必要になりました。なので、一日iPhone片手にイベントも撮影も同時に楽しむのであればモバイルバッテリーは必須ですね。

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