◆挨拶代わりにNFCにタッチ、そんなコミュニケーションが生まれる予感
以前、納期35年待ちというコロッケを食べる会に筆者を誘ってくれた、コンサル企業「KeepAlive」代表取締役の西田さん(納期35年待ちのコロッケは美味しいのか!? 「旭屋」の「幻のコロッケ」をプロの調理で食べる!)。そんな彼から「うち、NFC入りの革製品やってるんですけど」という話が来た。ん? IT企業が革製品? しかもNFCが入ってる? 一体どういうことなのか、実際に見せてもらうことにした。
元々KeepAliveはDXコンサツティングが主な業務としているが、2021年にレザーグッズブランド「Onemiler&Detrans」を立ち上げた。デジタル一辺倒のIT業界と古い商慣習のファッション業界をどうにかできないものかと始まったそうだ。事業も波に乗ったが、西田さんいわく「うちはIT企業だってことを忘れないように」と、今回NFCを取り入れたとか。
そして2022年に「革小物、サーバー、及び、革小物の製造方法」と、NFCを革小物や衣類などの製品と組み合わせる技術「META-LINING」の特許を取得。これまでは、Onemiler&Detransで取り扱っているアイテムにはロゴ部分にNFCチップが埋め込まれており、スマホをかざすことで製品登録と修理受付ができたが、今回は新サービス「Onemiler&Detrans Owners Club」をローンチし、さらにユーザー本人のプロフィール、趣味嗜好やSNSのURLを登録できるようになった。なお、これらは無料で利用できる。
いわゆる「ワランティー(保証書)」としての役目と、名刺代わりにもなる。たとえば、自分の愛犬や子どもの写真を登録したり、InstagramのURLを登録しておき、友達や知り合ったばかりの人にNFCを読み込ませれば、自己紹介にもなる。一度登録した情報は公開範囲を指定できるので、電車の中で全然知らない人がうっかりNFCに触れてしまったという場合でも安心だ。中身の個人情報は消すことが可能なので、誰かに譲渡したりオークションなどに出しても大丈夫。
紙の保証書はいざというときに見つからない場合も多いが、NFCならスマホをかざすだけで表示できるし、NFCチップは超小型なので商品のデザインを崩すこともない。さらにQRコードのようにカメラを起動して読み込む必要もない。まさにアナログとデジタルが融合した製品といえる。ただ、西田さんが言うには「まだNFCが何なのかわかっていない人が多く、どうやって使えばいいのか、わかりやすくする必要がある」という悩みもあるそうだ。
製品自体はイタリア産の牛革などを使っているので、それなりのお値段はするが、革製品は長く使うものだし、使えば使うほど味が出てくるもの。スマホポーチもあるので、IT系ファッションアイテムとして身につけるのもアリだろう。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります