『ザ・ランブルフィッシュ(以下、TRF)』というゲームををご存知だろうか? 2004年にアーケード向けにサミーからリリースされた2D対戦格闘ゲームだ(開発はディンプス)。
2000年ごろの対戦格闘ゲームシーンといえば、メディアやゲームセンターが主催する大規模な大会が賑わいを見せていたころ。2010年代に花が咲くプロゲーマー誕生の土壌が作られた時代であったように思う。しかしその一方で、人気を博していたタイトルは続編やマイナーチェンジ作、キャラクターIPを使ったものが多くを占めていた。
そんな中でゲームセンターに登場した『TRF』は筆者にとって“ちょっと遅れてやって来た新規オリジナル格闘ゲーム”な印象であった。オフェンスとディフェンスという2つのゲージを意識したシビアな駆け引きのある戦いはマニアックで、良く言えば硬派な格闘ゲーマー向き、悪く言えば初心者には優しくない仕上がりだからだ。
そんな『TRF』ではあるが、家庭用ゲーム機への移植はこれまでに2度されている。一度目は2005年にセガより発売されたPS2版。もうひとつはちょっとイレギュラーで、2022年に3gooより発売となった『ザ・ランブルフィッシュ2 コレクターズエディション』に同梱されたモノで、オンライン対戦には未対応であった。
前置きが随分と長くなったが、そうしたモロモロを経て2023年に登場するオンライン対戦版が本作『ザ・ランブルフィッシュ+』というワケだ。そんな『ザ・ランブルフィッシュ+』のプレイコードを発売元の3gooより頂いたので、本作にまだ触れていない人向けにレビューしていきたい。
複雑だが地に足の付いたゲームシステム
操作は方向キー+5ボタン。強弱のパンチ・キックに加えて、回避行動のための“ダッジ”ボタンが用意されている。コマンド入力による必殺技は当然として、前後へのダッシュや、ボタンを順番に押すことでの連続攻撃“ラッシュコンボ”といった現在の2D格闘ゲームでおなじみのシステムは搭載されている。
もっとも特徴的なのがオフェンスとディフェンスと2つあるゲージだ。多彩な使い道がある両ゲージだが、プレイヤーが攻撃をするごとにオフェンスゲージが、ガードや時間経過でディフェンスゲージは増加していく。
いずれかのゲージが最大まで貯まったときにコマンド入力で出せるのが“オフェンス(ディフェンシブ)アーツ”。さらに、両方のゲージが最大の状態では絶大な威力の“クリティカルアーツ”を放つことができる。
ほかにも、ほとんどの通常技をキャンセルして出せる“アドバンスドアタック”(オフェンスゲームを半分使用)や、ガード後に相手の硬直時間を伸ばす“インパクトブレイク”といったゲージ技も。それだけにゲージ量の管理が大事であるし、そうした仕組みをしっかり理解せねば勝ちはままならないというわけだ(オマケにCPUがめちゃ強)。
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