AmazonとETC利用照会サービスを騙るフィッシングが……
もはや天井知らずかと思われたフィッシング報告件数が突如半減しました。
フィッシング対策協議会が発表した2023年11月の「フィッシング報告状況」によりますと、同協議会に報告があった件数は前月より7万2456件減少し、8万4348件。直近の半年間で最も少ない件数にまで急減しました。
先月は2023年の報告件数が100万の大台を突破し、2ヵ月残した状態で過去最多だった2022年の合計を上回った旨をお伝えしました。「昨年のこの時期は右肩下がりの傾向でしたが、どうも今年は様子が違います」と記しましたが、
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毎年11月はAmazonをはじめ各ECサイトでブラックフライデーのセールが開催されるため、これを狙ったフィッシング詐欺が大量発生することで報告件数も跳ね上がると予想していました。
ところが実際には、「AmazonやETC利用照会サービスをかたるフィッシングの報告が各3万件以上減少」し、これが報告件数自体の急減にもつながったと見られます。ここにきてまた潮目が変わったようです。
件数急減の一方、新手のフィルター回避手法は急増
なお、件数は減った一方で、「特殊なIPアドレス表記やさまざまなタイプの飾り文字を使い、フィッシングメール内のURLを検知されづらくしようとしたり、送信ドメイン認証の検証をパスするよう独自ドメインの設定を行って送信するなど、迷惑メールフィルター回避の試みが非常に多く」確認されたとのこと。
加えてフィッシング以外でも、いわゆる当選詐欺や闇バイトへの勧誘メール・SMS、そして「仮想通貨での支払いを要求する脅迫メール(セクストーションメール)の報告が目立ったようです。
フィッシングの誘導先にあたるURL件数は前月から2829件減って1万678件に。6月から一貫して減少しており、そろそろ大台を下回りそうです。悪用されたブランド件数は5件減少して計73件。こちらも春から右肩下がりです。
悪意ある人・組織側の効率化が進んでいるのか、それとも本当にフィッシング詐欺全体のボリュームが縮小しているのか、引き続き注目です。
今後も怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告すると良いでしょう。
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