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ロイヤルエンフィールドのバイク「スーパーメテオ650」はコーナーも得意なツアラーだ!

2023年12月16日 15時00分更新

ロイヤルエンフィールド

60年ぶんのDNAが詰まった「スーパーメテオ650」

 ロイヤルエンフィールド「スーパーメテオ650」に試乗する機会を得たのでレビューしたい。スーパーメテオ650は先に発売された、メテオ350の兄貴分に位置するモデル。そしてフレームビルダーとして有名な「ハリスフレーム」を新たに傘下に置いたのちに製作されたモデルだ。そこを考えると、優れた操縦安定性や乗り心地の向上が期待される。

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バイクデザインにおいて、シートからライトに向けるラインは最も重要なパートのひとつだ

 スーパーメテオ650をデザインしたデザイナーのエイドリアン・セラーズ氏に、スーパーメテオ650について聞いてみた。「このスーパーメテオのデザインをする上で、一番大切にしたのはツアラーらしさだね。僕たちデザイナーにとってのツアラーの条件は、シートからヘッドライトに向けてのラインなんだ。このラインの向きが重要で、制作するモーターサイクルのカテゴリーを決めるんだ。ツアラーの場合はこのラインが上方を向いているだろ、このラインを“ライズライン”と呼んでいるんだ。このラインは僕ら世界中のモーターサイクルデザイナーが、意識しているラインなんだ」と説明してくれた。

 このライズラインに関して詳しく聞いてみると「ライズラインの角度には、ベストな角度と言うものは決まってない。ホイールベースや、シート高によって変わってくるからね。ただ、最低でも30度くらいは確保したい。それよりフラットだと、スクランブラーやスーパースポーツのカテゴリーに近くなってしまうからね。デザイナーにとってこのラインと言うのは、モーターサイクルのカテゴリーを決めると言う意味でも、最も大切なもののひとつなんだ」と語ってくれた。

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見た目のレトロ感も良い雰囲気を醸し出している

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 そのライズラインを大切にしながら、元ハリスフレームの技術者と制作を進めるうえで、意見の食い違いなどはなかったのか聞いてみると「彼らは皆んなモーターサイクル好きで、モーターサイクルの何たるかをちゃんと分かっていたよ。だからデザインするうえで、分かり合えないことはなかったね。スーパーメテオ650に関しては、スムーズに制作できたと感じてるよ」とのこと。

 つまり今回のスーパーメテオ650は、デザイナーとフレームビルダーが共通認識を持って制作したバイクなので。この話を聞いただけで、乗るのが楽しみになってくる。

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空冷のエンジンは、冷却フィンが印象的で美しい

パラレルツインエンジンで快適な走り

 エンジンに火を入れてみると、650ccツインエンジンは2気筒独特の鼓動を十分に感じさせてくれた。アイドリングのままクラッチミートしても、走り出すのに十分なトルクを確保している言うこと。走り出してすぐに感じたのは、このエンジンは面白いと言うことだ。鼓動感、トルク感、そしてスムーズなパワー特性。まさに過不足なく楽しめる。これが第一印象だたが、しばらく走ると足回りの良さや車体のシッカリ感の心地よさが上回る。ストレートが得意なはずのツアラーなのに、コーナーが楽しいのだ。これはうれしい不意打ちだった。

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足回りや車体の良さが、走りをより楽しくしてくれる

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 コーナーが楽しいとはいえ、スーパースポーツやライトウエイトマシンとのように走るわけではない。ほかのツアラーに比べ、格段に攻め込んでいけるという意味だ。素性の良いエンジンフィールはアクセルの開閉が多少ラフでもギクシャクしない。フレーム剛性に加え足回りの良さのせいか、多少の段差はまったく気にならない。バイクを倒し込んでいっても、スムーズにコーナーをクリアしてくれる。

 ユックリ走っても攻め込んでも、バイクが応えてくれるので走るのが楽しくなってくる。試乗したモデルには、フェアリングも装着されていたので高速クルージングも苦にならなかった。重量もそこそこで足つきも良い、価格(97万9000~)も含めてファーストバイクにするにはもってこいのモデルではないだろうか。

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バイクはあくまでも趣味の乗り物。乗った時の満足感がすべてだと考える

バイクライフはもっと自由なほうがいい

 2023年の今、性能面で乗って良くないバイクなどないと言っても過言ではない。では、何を基準にバイクを選ぶのか。多くのライダーは使用用途であったり、ライフスタイルに合わせて選ぶ。このチョイスに異論はないし、間違ってもいない。しかしながら、自分の考えるバイクライフはもっと自由であるべきということだ。バイクはあくまでも趣味に特化した乗り物なのだから、使い勝手より大切なものがあるはずだ。

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 自分にとってのバイクは、まず「カッコいいと思えるか」と言うこと。そして乗った時の満足感だ。たとえ月に一度しか乗らなくとも、自分にとって楽しい時間を過ごせたと思えることが重要だ。そんな時に乗るバイクのチョイスとして、スーパーメテオ650は選択肢のひとつになり得るバイクだと感じた。

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■筆者紹介───折原弘之

 1963年1月1日生まれ。埼玉県出身。東京写真学校入学後、オートバイ雑誌「プレイライダー」にアルバイトとして勤務。全日本モトクロス、ロードレースを中心に活動。1983年に「グランプリイラストレイテッド」誌にスタッフフォトグラファーとして参加。同誌の創設者である坪内氏に師事。89年に独立。フリーランスとして、MotoGP、F1GPを撮影。2012年より日本でレース撮影を開始する。

■写真集
3444 片山右京写真集
快速のクロニクル
7人のF1フォトグラファー

■写真展
The Eddge (F1、MotoGP写真展)Canonサロン
Winter Heat (W杯スキー写真展)エスパスタグホイヤー
Emotions(F1写真展)Canonサロン

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