◆名作揃いのパラマウントによる動画配信サービス登場!
米メディアのParamount Global(パラマウント・グローバル)の動画配信サービス「Paramaunt+」(パラマウントプラス)が、12月1日に日本上陸を果たしました。「WOWOWオンデマンド」と、JCOMが10月4日に開始した「J:COM STREAM」を通じて視聴できます。
Paramount+は、すでに世界45ヵ国で事業展開しており、加入者数は6100万人を超えます。日本展開は、2022年6月の韓国に続き、アジアで2番目となります。Paramount+の配信コンテンツリストにはParamount Picturesの「ミッション:インポッシブル」や「バンブルビー」「G.I.ジョー」などのハリウッドヒット映画、CBS TVの「CSI:科学捜査班」「NCIS ~ネイビー犯罪捜査班」のようなドラマ、ケーブルテレビチャンネルNickelodeon(ニコロデオン)の「スポンジ・ボブ」やComedy Centralの「サウスパーク」、MTV Video Music Awards Japanなどの音楽番組が並びます。
そんなParamount+が、どのような存在なのか、そしてどのような人に向くのか、12月6日に神田明神で開催された日本上陸会見で語られたことをもとにレポートします。
◆Paramount Globalは数多くのメディアが集結した存在
Paramount Globalは、世界最大級のOTT(Over The Top)市場となる米国に本社を持つ企業。厳密にはニューヨークにあります。スマートフォンやスマートテレビの普及により、VODコンテンツの需要が高まっているほか、NetflixやAmazonといったプラットフォーマーがこの米国に拠点を持ち、世界に向けてサービスを提供しています。
同じく日本を含む世界へ映画、ドラマ、番組、ドキュメンタリーなどを届けようとしているParamount Globalは、コンテンツに年間60億ドル(約8700億円)もの投資をしており、日本上陸を果たしたParamount+では、先述のようにCBSなどの豊富なライブラリーを持っていることが強みです。
Paramount Globalは、Paramount+だけでなく無料広告付きストリーミングサービスの「Pluto TV」をグローバル展開することにも注力しており、2023年現在は35ヵ国で提供しています。最近だと、8月にオーストラリアで提供を開始しました。
Paramount Globalについてもう少し分かりやすく説明すると、あらゆるメディアの集合体のような存在です。テレビ局だけでなく、映画、ドラマの製作・配給会、それにアニメーションのチャンネルも。これらを含む数多くのメディアが総合的に集結するのがParamount Globalです。日本で有名なハリウッド映画の「トップガン」「ミッション:インポッシブル」もこのParamount Globalが提供する作品の一部です。
同グループとしては、米テレビ局かつ三大ネットワークの1つであるCBSを持っており、そのCBSが2014年に「CBS All Access」という名で配信サービスを始めました。NetflixやDisney+もこの頃から、テレビ番組などのコンテンツをテレビ経由ではなく、オンライン配信サービスで直接提供していくようになります。テレビのコンテンツはテレビで楽しむ、という常識が覆され始めたのです。
一方のCBS All Accessはというと、CBSが2017年にCBS All Accessを米国以外の市場でも展開する計画を発表。2019年には、CBSとViacom(バイアコム)が再結合し、2021年にはサービス名がCBS All AccessからParamount+に改名されました。
Paramount+ インターナショナルマーケット統括 エグゼクティブ・バイスプレジデント兼インターナショナル・ゼネラル・マネージャーのマルコ・ノビリ氏は、「ストリーミングビジネスの将来に向けた重要な第一歩」とコメントしており、WOWOW、J:COMとのコラボレーションを強化することで、数あるコンテンツの提供エリアを広げたい狙いがあるようです。
6日の発表会で同氏は「われわれのパートナーを通じて山ほどあるコンテンツを12月1日から日本の皆さんにお届けできるようになった。Paramount+はまさにエンターテイメントの山。高品質なコンテンツを好む方々がいらっしゃる日本に進出できたことをうれしく思う。われわれは、家族の皆さんに楽しでもらえる、色褪せないコンテンツを用意しているし、あらゆるジャンルがあるのも強みだ。豊富なコンテンツを1度だけでなく何度も見返すことができるのがインターネットを通じた配信だと思う」とのコメントを述べました。
◆WOWOWとJCOM経由で提供される狙い
WOWOWとしてはトップガン、ミッション:インポッシブル、ローマの休日といった映画や、「NCIS」や「CSI」などの海外ドラマをはじめとしたParamount+のコンテンツをWOWOWオンデマンドを通じて提供できる他、パートナーであるParamount Global、JCOMとのさらなる連携を模索し、コンテンツを軸としたさまざまな新しい取り組みにつなげていきたい考えです。
WOWOW 代表取締役社長執行役員の田中 晃氏は、「WOWOWのユーザーは本当にParamountのコンテンツが大好きだし、長きに渡ってCSIシリーズなどを好む。われわれとしてParamountとの提携でコンテンツのさらなる充実を図るのは当然のこと」とWOWOWユーザーの嗜好を語りました。そのうえで、「これを見れば多くの人に刺さる、そんな作品がParamount+に詰まっている。われわれは今後、JCOMさんと共にParamount+の数ある作品を紹介していきたいと考えている」としました。
人気シリーズのCSIシリーズについて同氏は「CSI東京(仮)として、パートナーの皆さんを巻き込んだ共同制作へ発展したい」との夢を交えて紹介しました。まさに「WOWOWがParamount+を提供しなくて、ほかにどこがやるのだ?」と言わんばかりの気合いの入れよう。ファンあっての提供だと思わせるような発言でした。
繰り返しにはなりますが、Paramount+はWOWOWオンデマンドだけでなく、JCOMが10月4日に開始したJ:COM STREAM経由でも提供されます。
J:COM STREAMはこれまでのJCOMのVODサービス「J:COM オンデマンド」「メガパック」からさらなる提供価値向上を目的に、今年10月、J:COM STREAMにリニューアルした経緯があります。JCOM代表取締役会長の芳賀 敏氏は、J:COMとしてもParamount+との提携で「豊富なコンテンツを用意できる」ことをアピールしています。
◆著名が駆けつけ、Paramount+の作品を熱弁
発表会では、ゲストに秋元才加さん、こがけんさん、☆Taku Takahashiさんを迎えてトークセッションが行なわれ、会場ステージに登壇した3人が作品のどこに魅力があるのか、そしてParamount+がどのような人に向くかを語りました。
Paramount+によるドラマシリーズ、シルベスター・スタローン主演「タルサ・キング」について、「面白くて一気に視聴してしまった」と語る秋元さんは、「かなりハードなシーンもあれば、セクシーさも際立つシーンもある」と胸の内を明かしました。さらに、タルサ・キングがどのように作られていたのかが分かるドキュメンタリーに興奮した」ことも話し、2022年秋の米国配信時に脚光を浴びた本作に好意を示しました。
そんな秋元さんは先日出産したばかりだと言います。「私のようになかなか映画館へ足を運べない人でも、育児の間にタルサ・キングを観ながら一息つける」と述べ、隙間時間にいつでも視聴できるParamount+の魅力について、自身の体験を例に出して語りました。
ハリウッド映画モノマネで知られるこがけんさんは、「まさかこのようなイベントに登壇する仕事をいただけるとは」と驚きを隠せずにいました。トップガンについては「大ヒットアクション大作のトップガンに触発されて、海軍に入る人が米国にいると聞いたことがある」との豆知識を交えて、「それほど影響力のあるトム・クルーズさんが主演する作品なのだ」とアピール。
さらに、「トム・クルーズさんはすべての作品のうち、7割くらいは走っている」とアクションムービーである本作について語った上で、「トム・クルーズが何かを指さすときの表情はこうです」と自慢げにモノマネを披露すると、会場は一気に笑いの渦に包まれました。
音楽ユニット「m-flo」からは☆Taku Takahashiさんが駆けつけ、日本でも配信される「スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド」を例に挙げて、シリーズの魅力を熱弁しました。「このシリーズは、さまざまな人種が交錯し、あらゆる問題の解決に向けて、人間が成長していくような物語になっている。今の日本に置き換えて視聴してみると、なかなか面白いのではないか」とTakahashiさん。
スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールドは「スター・トレックを初めて視聴する人でも楽しめる作品」だそうです。そんな本作について、Takahashiさんは「SFっぽさもあれば、ミュージカルのようなシーンも垣間見える。普通(前作など)ではありえない部分があって、すごく楽しめる作品になっているはず」と熱く語りました。
さらに、日本上陸を果たしたParamount+に対する思いとして、Takahashiさんは「期待というよりもお願いがある」とした上で、「このように数ある作品を発信してくれるプラットフォームが整った一方で、特定の作品をもっと楽しめる機会があれば」との考えを明かし、「たとえば、ウォッチ(ファンの皆さんで同じ作品を視聴できるような)パーティーを開催するなど、ファンの心をグッと掴むイベントがあれば、自分もそこに出向いて色々と語りたい」と熱望しました。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります