さとるの自腹現地レポート
ビザが下りなきゃ日本へ強制送還!? 中国・深センへ香港空港からフェリーで入国&中国新幹線で出国してみた
各国でコロナ禍中に厳しくなっていた各国の入国制限も、以前とほぼ同じ状況に戻ってきて気軽に海外旅行ができるようになりました。ですが、そのなかで以前厳しいままの状況なのが中国です。入国時の「健康申告」こそ不要になりましたが、現状中国へ日本人が入国する際には、ビザが必要です。
しかも申請には時間がかかります。今年9月に中国メーカーのプレスツアーでビジネスビザを申請したときには、必要書類がそろってから1週間以上もかかりました。仕事の場合、受け入れ企業が現地で申請する必要もあるため、実際には2週間から1ヵ月以上かかるケースもあるそう。そのため以前のように、気軽に「中国へ行こう!」というわけにはいきません。
事前にビザを取得しなくても
中国に入国できる場所/方法がいくつかある
そんな中国ですが、事前にビザを取得しなくてもいいケースがいくつかあります。そのひとつが、香港に隣接する深センへの入国。世界の工場、ガジェット生産の最先端エリアとして、やはり海外からの入国を厳しく制限するワケにはいかないのでしょう。ビザを到着してから取得する、アライバルビザ(VISA ON ARRIVAL)というシステムが使えます。
このビザは「特区旅遊(E)ビザ(S.E.Z VISA)」という名前で、1度のみ有効なシングルエントリーで、最長で入境翌日から5日間、深セン市内のみという条件がついています。ですので、このビザで深センに入って、そこから上海や北京など中国各地へ移動はできません。
深センのアライバルビザを利用できるのは、現在4ヵ所。香港から地下鉄やバスでアクセスして入境できる羅湖口岸(らこ こうがん)と皇崗口岸(こうこう こうがん)を使うのが一般的で、理由は後述しますが深センに行くならこの手段が断然オススメです。
もう2ヵ所は、飛行機で深センの宝安国際空港にアクセスする方法と、香港空港から香港へ入国せずフェリーで蛇口口岸へとアクセスする方法です。今回は、この「フェリーで中国・深センへの入国」にチャレンジしてみることにしました。
9月にも深センには行きましたが、ケース問屋やオモシロガジェットなどがある電気街の華強北をまわるチャンスがなかったんですよね。それがちょっと物足りなくて、1泊だけでも行ってこようと、今回足を伸ばしたのです。
ビザが下りなきゃ日本に強制送還!?
香港空港からフェリーで蛇口口岸へ行ってみた
旅程の関係で今回は日本からではなく、台湾の桃園空港から香港国際空港へと移動。到着したら香港の入国審査を受けずに制限エリア内にあるフェリーのチケット購入&チェックインカウンターへ向かいます。フェリーチケットを買う際には、預け荷物がない場合は出発の30分前であればオーケー。飛行機に荷物を預けている場合は、1時間前までに乗り継ぎカウンターE2で荷物の載せ替え手続とチケットの購入が必要です。
今回は預け入れ荷物がなかったので、12時過ぎに香港空港のフェリーチケットカウンターに到着し、13時のフェリーを購入できました。価格は310香港ドル(約5840円)です。チケット購入自体はクレジットカードも使え問題ないのですが、このルートでの深セン入りがあまりオススメできない注意点を、購入時に念押しされます。
それは「アライバルビザが発給されるのは100%確実ではない。もしビザが発給されなければ、香港ではなく香港空港からさらに出発地へ自費で戻ることになる」との説明。つまり、もしビザが発給されなかったら、代わりに香港へ入国というわけにはいかず、今回の自分の場合なら台北へ。日本からのフライトなら日本へと戻ることになるわけです。
このリスクはかなり大きいです。香港へ入国して陸路で羅湖口岸もしくは皇崗口岸からなら、アライバルビザが発給されず戻ることになる場合でも、香港に戻るだけですみます。この条件は深センの宝安国際空港も同じだと思いますので、リスクを抑えて深セン入りするなら、現状は香港へ入国してからがオススメです。
自分はフェリーでアクセスする方法でスケジュールを組んでいたため、その条件を承諾してフェリーチケットを購入しました。購入後はチケットカウンターの裏にあるエスカレーターで地下に降りて、専用の列車でフェリーターミナルの「SkyPier(スカイピア)」へと移動します。
(次ページ:いよいよフェリーへ乗船)
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